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【第2回目】revii事業責任者が語る1on1ミーティングの効果とスタンス

曽良 竜太
株式会社ZENKIGEN revii事業責任者
全てのチームを「最高のチーム」に。

第一回目の記事では、revii事業部の責任者「曽良(かつら)」に1on1ミーティングの本質についてインタビューをしました。


第二回目の本記事では、1on1の効果を最大化させるためのスタンスについて伺ってきました。

1on1で得られる効果や、どういうスタンスでメンバーとコミュニケーションを取るといいかについて、参考にしていただけたらと思います。

1on1を通して得られる効果

前章でお伝えしたように、1on1の目的は、メンバーがイキイキと働き、
業務遂行の成果や効率を高める(生産性向上)ことだと考えています。
これには、「働きやすさ」と「働きがい」がかけ合わさり、やりたいことを効率良く、
スムーズに行えている状態を示します。

一般論や経験上でのお話ですが、この目的を達成することで下記のような効果を得られると思っています。

効果①人に関わるトラブルが減る
うまくいかないことがあると、悲観的になったり、自己肯定感が低くなったりするメンバーもいると思います。
すると、自分を守るために誰かのせいにしてしまうケースがあり、トラブルに繋がることがあります。
みんながイキイキと効率良く働けるようになると、怒る人がいなくなり、トラブルも減ります。

効果②エンゲージメント向上
対話を通して自身のやりたいことや道が明確になります。
また、お互いの価値観を知るきっかけになりますので、コミュニケーションコストが減り会話がスムーズになります。
そうすることで、所属する組織が自身の居場所となり、帰属意識も芽生え働くことが楽しい状態となり、
仕事も人も好きになっていきます。
米国ギャラップ社の調査結果によると、マネージャーが定期的に1on1を実施すると、
メンバーのエンゲージメントが300%高くなると言われています。

効果③退職率減少
所属する組織で働くことが楽しい状態となり、ネガティブに辞めていく社員が減ります。
※HarvardBusinessReviewの記事によると、1on1の時間が同僚より
2倍長いメンバーは67%離職率が下がるというデータがあります。

効果④生産性向上
メンバーの悩みなどに対する解決策を一緒に考えたり、
スキルアップを促したりできるため、メンバーはスムーズに仕事をすることができます。
GE社(ゼネラル・エレクトリック)が導入したPD制度によると1on1(パフォーマンスデベロップメント制度)を
導入したことで生産性が500%上がった事例も出てきています。

効果⑤利益
社員のモチベーションやエンゲージメント、スキル向上により組織が強化され、
会社の利益にも直結します。

効果⑥社員に還元
会社の利益が上がれば、給料や福利厚生など、社員への還元が増えます。

他にもあるとは思いますが、こういった効果のある1on1というものは、
経営そのものであり、マネジメントの本質であると思います。
なので、たくさんあるマネジメント手法の中で、1on1は最も効率的だとも考えているくらいです。

効果を得られず、1on1がうまくいっていない理由

1on1がうまくいっていないとすれば、その理由は下記だと考えています。

理由①会社が提供できるオポチュニティ(良い挑戦機会)の幅が少ない
メンバーが掲げるパーパスに対して、会社が提供できるかの問題が挙げられます。
フレキシブルな大企業であれば、パーパスに合わせて部署異動などできますが、
スタートアップやベンチャー企業などは実現することが難しかったりします。

理由②マネージャーが1on1の目的意識を理解していない
マネージャーがメンバーに対して業務効率ばかり求めてしまうと、
1on1ではマネージャーからの指示や依頼事項ばかりになってしまいます。
すると、メンバーは自分のやりたいことを実現することができなくなり、「イキイキ働く」ことができなくなります。

理由③マネージャーの目的意識を履き違えている
業務外(キャリアややりがいなど)について話す必要があると思ってしまうと、
内発的動機やWILLを探るコミュニケーションが中心になります。
これをいきなりやってみるマネージャー側も難しいですし、メンバーも答えにくく、互いに疲弊してしまいます。
私自身も最初はそのような壁にぶつかったので当時を思い出すと気まずくなります笑

イキイキ度の測り方とは?

メンバーがイキイキしているかどうかは判断が難しいですが、基本的に表情や会話内容から見ています。
自走していて、前に進んでいるメンバーは向かい風に当たることがあるので、
相談や悩みが増え、ネガティブな話や質問が多くなってきます。
こういった感覚は、「revii(リービー)」の分析結果と大きく乖離はないですね。

ただこれは、すぐにできるようになったわけではありません。
長期間に渡って各メンバーと週一で1on1をやっている中で、それぞれの属性や性格、
やりたいことやどうなりたいか、得意不得意や好き嫌いなど、色んなことを少しずつ学習し、
お互いに信頼関係をつくり上げながら把握してきたからこそ分かるようになりました。

理解が深まると、イキイキしていないかもと感じるメンバーに対しても、
それぞれに合ったコミュニケーションの取り方ができるようになります。
何に不安があってつまずいているのかなど、当てが着くようになるので、
それを一緒に解消してイキイキ働ける状態に持って行けるように導いてあげようと思いますね。
個人的に、正解がわからないVUCAを生き抜くマネージャーにとって重要なスキルの1つに入ると思います。

1on1の時に心がけていること

まず過去の話からお話しさせていただきます。
過去に新規事業を任されたときは、メンバーを「使う」というスタンスでいました。
すると、「これをやってほしい」といったコミュニケーションが中心となり、
メンバーは個々人がやりたいと思っていることができず、辛くて逃げたり、詰めが甘かったりすることがありました。
このスタンスは失敗でした。

そこからスタンスを変えました。

チームをフラットにし、「みんなでビジョンとミッションを達成する」ために、
「みんなで何ができるかを考える」。

もちろんメンバーのサポートなどのマネジメントはしますが、目標設定や評価はチーム全員で行い、
「なんで私たちはこれをやっているのか、みんなでなにを成し遂げたいのか」をみんなで考えるようにしました。
そうすると、みんなでぶつかっていくので、団結してコトに向かえました。

今はサービスを通して成し遂げたい世界観や目指したいゴールを
自分一人で作り上げることはできないんだというマインドでいます。
それに向かって、メンバーが意思を汲み取ってくれて、助けてくれている。
なので、基本的にはメンバーの意見は否定することなく、それぞれの考えから学びながら、
感謝の気持ちを大切にコミュニケーションを取っています。

reviiコラム編集部

revii(リービー)のサービス企画・運用に携わるメンバーが、組織改革やマネジメント育成、1on1ミーティングなどで役立つ情報・HowToを発信しています。
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