登壇者プロフィール
パーソルキャリア株式会社
人事本部 組織 人材開発部 組織 人材開発1グループ
竜田 遼 氏
2015年10月、キャリアアドバイザーとしてパーソルキャリア(旧インテリジェンス)に入社。
2018年10月より、戦略人事部にて事業部HRBPとして、組織・キャリアパス設計、人事評価運用、人材育成、リテンションなど事業に絡む人事業務を行った後、組織・人材開発部へ異動。
管理職向けの研修企画・実施を担当。
▼「パーソルキャリア株式会社」へのURLはこちら
https://www.persol-career.co.jp/
株式会社ZENKIGEN
revii事業部 セールス&カスタマーサクセス
坂本 珠里
1992年福井県生まれ。新卒で株式会社リクルートスタッフィングに入社し、3年半の間、法人営業に従事。
その後、株式会社サイバーエージェントに転職。広告営業を担当したのち、2019年12月ZENKIGENへ入社し、WEB面接サービス「harutaka(ハルタカ)」のフィールドセールスのチームリーダーとしてマネジメントに携わる。
現在は1on1改善サポートAI「revii(リービー)」カスタマーサクセスチームのマネージャーとして、顧客のプロジェクト推進・チーム運営・メンバー育成など幅広く担当。
▼「revii(リービー)」へのURLはこちら
https://revii.jp/
1on1ミーティングをはじめたきっかけと「revii」を導入した理由
坂本: 初めに、パーソルキャリア様で1on1ミーティングをはじめられたきっかけと、その中で「revii」をご導入いただいた理由についてお聞きしたいと思います。
竜田 氏: 私たちの会社では1on1ミーティングの文化が根付いており、マネージャーとメンバーが会話する機会はありました。しかし、進め方にルールなどもなく、体系的ではない状態でした。マネージャーとメンバーはなんとなく1on1ミーティングをした方がいいと思って実施されていた、というイメージです。
1on1の時間を有意義なものにするために座学の研修やロールプレイング研修なども実施しましたが、現場で実施している社員全員に人事からフィードバックをするのは難しい状態でした。
「revii」を活用することで、マネージャーが1on1ミーティングの見直しや振り返りができ、改善のPDCAサイクルを回すことができます。現場が自ら学んで改善できるといった点が弊社の課題にマッチすると考え、導入に至りました。
——パーソルキャリアで1on1ミーティングが根付いていた理由
坂本: 自然発生的に1on1ミーティングが実施されていたのは素晴らしいですね。パーソルキャリア様の中でコミュニケーションを大事にするカルチャーが根付いた経緯や理由はあるのでしょうか。
竜田 氏: 元々マネージャーとメンバーが業務相談や進捗確認に時間を割くことが多かったです。マネージャーはメンバーが問題なく仕事をしっかりやれているか、困っていないかなどを確認することを目的に、自然発生的に1on1ミーティングができたというのが私認識です。
導入後、推進する上で直面した課題
坂本: 「revii」を導入される際、直面した課題や難しかった点があれば、ご共有いただけますか。
竜田 氏: 事前に利用者への同意は得てはいましたが、「revii」では1on1ミーティングが録画・解析される仕様のため、はじめはその動画の利用用途や解析内容について懸念を示すメンバーもいました。
坂本: なるほど。直面した課題について現場にどのようにメッセージされたのでしょうか?
竜田 氏: 人事からはメンバーに対して「1on1ミーティングをより効果的なものにしたいから利用してみてほしい」とメールを送りました。また、マネージャーからも自身のメンバーに対して補足説明をしてもらうようにしました。
「1on1ミーティングをより効果的なものにするために、『rerii』という振り返りができるシステムの導入を検討したいのでぜひ協力して欲しい」とマネージャーの1on1に対する熱意を伝えてもらうことで、少しずつ不安を解消していきました。
——現場マネージャーが「revii」を積極的に受け入れた理由
坂本: 私が印象に残っているのは、パーソルキャリア様の現場のマネージャーの皆さまが、スムーズに「revii」を受け入れてくださり、積極的に活用していただいたことです。やはりマネジメントや1on1に課題を感じていた方が多かったということなのでしょうか。
竜田 氏: そうですね。課題意識ももちろんあったと思いますし、弊社では、自ら学習機会を取りに行くスタンスの人が元々多いように思います。今回も「revii」は手上げ制で利用者を募集し、課題を持つ意欲の高いマネージャーの方々が集まってくれました
——人事施策を波及させるためのポイント
坂本: 人事施策をはじめられるとき、2:6:2の法則で、積極的に反応する方が上位2割ぐらいはいると思います。ただ、人事が本当にアプローチしたいのはその下のボリュームゾーンの6割や下位2割ではないのでしょうか。上位2割以外の人たちをどう動かすのがポイントだと思われますか。
竜田 氏: 多くの人事担当者が悩まれていることだと思います。個人的には、初めから全員を巻き込もうとするより、3回くらいに分けて、徐々に全員を巻き込むようにするのがいいと思っています。初めはモチベーションが高い意欲的な人を集めることが大切で、その後は人事の腕の見せどころですね。施策を通してマネージャーの変化を数字で示しながら、残りの8割の方々を巻き込んでいきました。
坂本: 最初のムーブメントを起こすにあたって初期のプロモーターを誰にするかなど、今まで実践されてきた中で、この手法がうまくはまったという成功事例はありますか。
竜田 氏: 初めに参加してもらう方は重要なので、人事側でも慎重に検討します。志望動機を書いてもらうこともあります。ここで最も重要なのはマネージャー自身の実力やスキルより、意欲とゴールの明確さの2つです。
ツールや研修を活用したいという自発的な動機と、活用後にどうなりたいかなどを書いてもらっています。動機などを明確にイメージできている主体的な人が最初に参加してくれることで、効果が見えやすく、いろいろなフィードバックも得られるため、人事として改善方法も模索できます。
実際に「revii」を導入して、現場に起きたポジティブな変化
坂本: 実際に「revii」を導入していただき、現場に起きたポジティブな変化があればぜひ教えてください。
竜田 氏: たくさんありますが、一つはマネジメント歴の長いマネージャー陣に、自分では気づかなかった癖などを認識してもらえたことです。この変化は価値の高い、前向きなものだと捉えています。
1on1ミーティングは中身が見えずブラックボックスであるが故に、人事からフィードバックするには十分な情報がなく、説得力に欠けた抽象的なアドバイスになりがちです。「revii」を活用することで、AIが分析した結果とフィードバックを確認し、自身のふるまいの自己認知と改善ができるようになったので、これは大きな変化だと思います。
時系列で1on1の結果を見ることもできるので、スコアが上がったり下がったりするのを確認しながら楽しんで取り組んでもらっているように感じます。
人事目線で、「revii」を導入してよかったと感じること
坂本: 竜田さんの人事というご担当者目線で、「revii」を導入してよかったと思われるポイントがあればぜひお願いします。
——研修のフィードバックコストを削減できた
竜田 氏: 研修のフィードバックコストが下がったことは大きなメリットですね。
多くの企業が同じだと思いますが、弊社は会社の規模に比べて人事担当者の数が少ないと感じています。そんな中で、人事が研修を組み、現場に展開し、フィードバックをしていくとなるとかなりの工数がかかります。「revii」を活用することで、人事としては現場への使用のサポートをするだけで、フィードバックはAIがリアルタイムに自動的に行われるためとても効率的に進めることができます。
——1on1ミーティングの定量評価ができるようになった
竜田 氏: もう一点お伝えすると、測定指標が定量的に出てくることです。
研修を実施する時には、業務効率化向上やメンバーへのマネジメントにつなげてもらうなど、何らかの成果を期待しています。しかし、実際効果があるかどうかは、これまでは現場からの定性的なアンケートでしか計れていませんでした。「revii」はその効果を数値として明確に可視化するため、施策の良し悪しの判断や、上層部への報告にも説得力が増します。
質疑応答
——「revii」を用いたことにより、メンバーにも何か変化はありましたか。
竜田 氏: 「revii」では、マネージャー・メンバー双方が「今回の1on1の目的」をアンケート回答してからルームに入室することができるので、そもそも1on1はテーマを持っていく場である」という意識を持ってもらえるようになりました。
また、メンバーから「今日はこういう相談をするために30分使わせてください」「今日は仕事の話ではなく、今後のキャリアについて話してもいいですか」など、自発的に相談や話題が出てくるようになり、地味ではありますが大きな変化だったと思います。
——1on1ミーティングではプライベートの話も多く、外部の方に見られるのを嫌がる人もいると思うのですが、人事担当は「revii」の動画や分析結果などを見られるものなのでしょうか。
坂本: 「revii」の仕様で、人事ご担当者様や我々管理者などは1on1の動画や会話の内容を閲覧することはできません。マネージャーだけがご自身の録画動画やデータを見られます。ただし、傾聴や承認のスコアなどの客観的なアウトプットは人事ご担当者様も閲覧が可能です。
竜田 氏: 客観的データについて、むしろ人事は確認できたほうがいいと思います。データが貯まると傾向が見えてくるので、うまくいっていないマネージャーやメンバーを把握することができます。なので、少し気にかけてあげることができ、会社ですれ違ったときなど、些細な会話から聞き取りができます。
普段から行われる1on1の分析結果から課題を拾える点など、人事側が客観的なデータを閲覧できるメリットは大きいですね。
竜田さんからメッセージ
竜田 氏: 私も人事の1人として、これまでの経験からこのようなコミュニケーション施策はなかなか浸透しなかったり、効果が出なかったり、推進することは難易度が高いと思っています。
「revii」は1on1を数値データとして見られることも大きなメリットですが、まずは現場の社員が自己認知できるツールとして有効です。自分のできていることや、できていないことに気づくことで、研修やフィードバックを通して学ぶ意欲が湧くと思います。
「revii(リービー)」のご紹介
坂本: 1on1ミーティングは数多あるマネジメント手法の一つであり、1on1ミーティングのゴール自体はマネジメントのゴールに近いかなと思っています。マネジメントのゴールは究極、メンバーの業務遂行効率を上げることです。これが叶えば生産性やエンゲージメントの向上、ひいては離職を防止していくことにつながります。
しかし、1on1ミーティングにおいて、マネージャーがメンバーに対してどのような働きかけをしているのか見えづらいため、人事の方には「revii」で改善策を出していただいています。
「revii」は、オンライン上で1on1ミーティングを実施できるシンプルなプロダクトです。マネージャーとメンバーそれぞれの言動や表情などを解析し、マネージャーの皆様に自動でフィードバックレポートを出力しています。
可視化できる指標は、下記のようなものがあります。
- マネージャーとメンバーそれぞれが何割ずつ発話したか
- マネージャーの皆様が傾聴し行動を取ったか
- マネージャーの傾聴や行動がメンバーに伝わっているか
- メンバーが集中して安心して会話に参加できているか
- メンバーがどれくらい積極的に取り込めているか
1on1ミーティング前後のアンケート以外にも、パルスサーベイのような簡単なアンケートを差し込めます。メンバーのコンディションや生産性モチベーションなどが、定量的なデータと定性的なデータで可視化されるのです。
さらに実施のログを取ることで、誰が参加しているのか、どのようなトークテーマで話されているかなどの確認もできます。「revii」を利用しながらモニタリングすることで、効果的な研修や施策の打ち出しを実現できます。