1on1ミーティングを実施したものの、課題が多くて困ることありませんでしょうか。
新しい取り組みを導入するときには上手くいかないことが多いものです。
しかし、そのまま何もせずに放置していると、1on1ミーティングは効果を発揮せずに、取り組み自体が自然消滅するなんて事態になるかもしれません。
本記事では、1on1ミーティングを実施するさいによくあがる課題を7つ紹介します。
ぜひ、最後まで読んで各課題の理解を深めて対策を立てられるようになりましょう。
1on1ミーティング導入後に陥る5つの課題
1on1ミーティングは、多くの企業で取り組まれている組織改善や社員育成を目的としたマネージメント手法です。
しかしその手法は即効薬ではなく、導入・実施に当たって注意を払いつつ、課題解決を繰り返しながら改善し、運営をしていく必要があります。
ここでは、1on1ミーティング導入後にで陥りやすい5つの課題を紹介します。
- マネージャーだけが言いたいことばかり伝えてしまう
- 継続的に行われない
- マネージャーが1on1に苦手意識を持っている
- メンバーが不満を伝えられていない
- 内容や目的を見失ってしまう
課題1:マネージャーだけが言いたいことばかり伝えてしまう
マネージャーのみ喋り、一方通行のミーティングとなってしまうことは1on1ミーティングの課題としてよくあがります。
メンバーに対して伝えたいことやアドバイスがたくさんあり、良かれと思う気持ちからついついマネージャーは喋りすぎてしまうことがあります。
しかし、1on1ミーティングはメンバーが自分の気持ちや考えを話す場です。
目安として、マネージャーが会話の3割、メンバーが7割を喋っている状態を目指しましょう。
1on1ミーティングのポイントは傾聴
マネージャーから仕事の指摘ばかりされると、メンバーは1on1ミーティングの時間に嫌悪感を抱くようになってしまいます。
傾聴とは、相手の立場に立って共感しながら理解を示すことを表しています。
メンバーに対する傾聴こそが、1on1ミーティングの本質です。
メンバーのためを思えば、つい仕事に対する口出しをしてしまうのでしょう。
しかし、あくまでも1on1ミーティングはメンバーの話を引き出すための時間だと、マネージャー側が理解することがポイントです。
課題2:継続的に行われない
1on1ミーティングは定期的に実施されてこそ効果を発揮します。
しかし、現場の仕事が忙しいことを理由に、1on1ミーティングがリスケジュールされたり、それが重なりキャンセルされたりすることは少なくありません。
継続的に実施されない理由は大きく3つあります。
- 多忙でスケジュール調整がきかない
- 1on1ミーティングに苦手意識を持っている
- 新しい施策に対して嫌悪感がある
多忙でスケジュール調整がきかない
メンバーが通常業務だけで手一杯になっている状況では、1on1ミーティングを実施することは困難でしょう。
そういった場合には、まずは業務効率化、もしくは仕事量を調整し、1on1ミーティングを実施できる時間を確保する必要があります。
心に余裕がない状態では、1on1ミーティングの効果は発揮されにくいでしょう。
また、実施体制にも気を配る必要があります。
1人のマネージャーが多数のメンバーと1on1ミーティングをする体制では、スケジュール調整はききづらく、なし崩し的に継続的に実施されなくなるケースがあります。
体制を変更できない場合でも、1on1ミーティングの実施頻度を工夫するなどして、継続的に実施できる工夫をしましょう。
1on1ミーティングに苦手意識を持っている
こちらはマネージャーとメンバーどちらにも当てはまる可能性があることですが、1on1ミーティングに苦手意識を持っている場合は継続に消極的になってしまいます。
1on1ミーティングは、即効性のある取り組みではない分、足元の業務など何かしらの理由を見つけてキャンセルしやすいものです。
継続的に1on1ミーティングを実施するためにも、お互いの苦手意識をなくすことにも注意を払いましょう。
新しい施策に対して嫌悪感がある
なにか新しい施策が導入される際に、一定数の社員は嫌悪感を抱くことがあります。
タスクが増えるといった観点から否定的な意見を持つ方もいれば、そもそも現状維持している状態が心地良いために新しい取り組みに否定的な方もいます。
マネージャーとメンバーの信頼関係につながるなど、1on1ミーティングの良さを伝えつつ、ツールを導入するなどしてタスク負担を軽減していきましょう。
実施する目的を理解しながら進めていくと、新しい施策に対する嫌悪感が薄れていくでしょう。
課題3:マネージャーが1on1に苦手意識を持っている
マネージャーが1on1ミーティングに対して苦手意識を持っているケースがあります。
1on1ミーティングに対して苦手意識を持ってしまう大きな理由は、以下の2つです。
- メンバーから不満や愚痴を言われる時間だと思っている
- メンバーからの意見に抵抗感がある
ひとつずつ見ていきましょう。
メンバーから不満や愚痴を言われる時間と思っている
目的を正しく理解していないために、メンバーから不満や愚痴を聞く時間だと勘違いし、1on1ミーティングの実施に消極的になっているマネージャーも少なくありません。
1on1ミーティングは対話を通じて、メンバーの成長を促進したり、組織改善に役立てたりできるマネージメント手法です。
1on1ミーティングを導入する際には、マネージャーとメンバーともに正しくその目的を周知しましょう。
メンバーからの意見に抵抗感がある
1on1ミーティングでは、メンバーから現状の組織やマネージャーのマネジメント方法について意見を告げられることもあります。
そういった場合に、素直に不満を受け入れるのは簡単ではありません。
メンバーから自分のマネージメント方法を否定されたと思い込み、不満を拒絶してしまう可能性もあります。
また、そういった場面を想定して、「自分も否定されてしまうのではないか」と不安になるマネージャーも少なくありません。
たとえメンバーにはプライドを傷つける意思がない場合でも、そのように受け取ってしまいます。
課題4:メンバーが不満を伝えられていない
マネージャーとの1対1でのミーティングとなれば、初めのうちは特にメンバーは緊張してしまうものです。
中には、マネージャーに仕事の不満を伝えたら、多くの人に広まって退職を余儀なくされるのでは、と心配しているメンバーもいるでしょう。
現在の仕事に自身の生活がかかっているため、退職の可能性を考えれば「不満を伝えない方がいいのでは」と思い込んでしまいます。
また、退職の可能性まで心配していないメンバーでも、やはりマネージャーと気まずくなることは避けたいと考えるものです。
上のような不安を抱えているのは、マネージャーとメンバーの信頼関係が構築されていないからです。
まずは、1on1ミーティングで聞いた内容は誰にも話さないといった約束をすることから始めてみるといいでしょう。
課題5:内容や目的を見失ってしまう
1on1ミーティングは場を和ませるためにと雑談をしたり、同じ話を繰り返したり、本来の目的とは違う対話になってしまうことが多くあります。
目的を見失ってしまうと、何のために仕事の時間を割いてまで実施しているのか分からなくなり、続ける意欲がなくなるでしょう。
1on1ミーティングの目的を見失わないためにも、始めるときにマネージャーとメンバーが目的のシェアをすることが重要です。
マネージャーとメンバーが1on1ミーティングを実施する主な目的は、信頼関係を構築して、いずれは組織運営の品質向上を目指すこととなります。
最初に目的や話す内容をシェアして、1on1ミーティングを価値のある時間にしてください。
まとめ|1on1ミーティングは事前に課題を確認してから進めよう
1on1ミーティングは、実施によって得られる効果が多い半面、課題が多い取り組みでもあります。
しかし、事前に陥りやすい課題を確認しておけば、前もって対策を練ることが可能です。
また、単発の取り組みと思わずに、毎回のミーティングから課題を見つけて改善を重ねていくような姿勢で取り組んでいきましょう。
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