職場を活性化する必要性とは?
職場の活性化は、業務の効率化と仕事の成果に直結しています。
活性化ができれば、社員同士の意思疎通がスムーズになり、1人ひとりの仕事も効率的に行えるようになるでしょう。
さらに、職場の活性化で生産性の向上が実現できれば、企業の業績アップにもつながります。
職場が抱える問題と改善点
企業の状況は日々変化するもので、経営陣の入れ替えや方針の転換など、会社状況により経営状況の変化もあるでしょう。
たとえどのような変化が起きても、社員が柔軟に対応できる能力があれば、企業の成長も維持できます。
したがって、常に社員がフレキシブルに動けるように職場の活性化を行い、働く環境を整えたいものです。
また現在は、在宅ワークやリモートワークが進み、オンライン上のみでつながることも珍しくありません。
お互いの距離があると、価値観が単調になり積極的なアイディアが出にくくなる傾向があります。
さらにコミュニケーション不足により、ミスが増えフォローする体制も整っていないなどの問題が出てくる場合があるでしょう。
そのため企業は職場の活性化に取り組み、業務をスムーズに遂行できる環境を整える必要があるのです。
職場を活性化する5つのメリット
企業において必要な職場の活性化ですが、メリットはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、5つのメリットをご紹介します。
- コミュニケーションが活発になる
- 生産性が向上できる
- 離職率の低下・エンゲージメントが高まる
- 社員に主体性が生まれる
- 企業理念が浸透する
コミュニケーションが活発になる
職場の活性化に取り組んでいる組織は、社員同士のコミュニケーションが活発です。
コミュニケーションが活発な組織では、部署内や同世代にとどまらずチーム以外のメンバーや年齢の垣根を超えて行われます。
そのため、部署間の連携がスムーズになり、業務が円滑になるでしょう。
また、機械的になりがちな報連相も、コミュニケーションが密に行われているチームでは頻度が増え、ミスが減りチームワークも高まります。
このようにコミュニケーションの活発化で、社員同士の信頼関係の構築が行われます。
ときにはプライベートの話も交え、社員が働きやすく雰囲気のよい職場環境が期待できるでしょう。
生産性が向上できる
活発なコミュニケーションは、業績にも成果が現れます。
職場の活性化を行うと、意見の出し合いが活発になり、単調になりがちな日々の業務でもアイデアやクリエイティブな発想が飛び交うようになるでしょう。
やがて社員は、業務の枠を超えたチーム全体を視野に入れた働き方ができるようになり、企業全体の生産性が高まります。
離職率の低下・エンゲージメントが高まる
社員個人に対する労働負荷や長時間の労働などは、いくらモチベーションが高くてもエンゲージメントの維持は難しくなります。
職場の活性化により、働きやすい職場環境が整備されると、社員のエンゲージメントも高まります。
良好な人間関係や、作業時間を減らすような業務分担が整備されている環境では、社員は自己充実感や達成達成感が得られるでしょう。
さらに、愛社精神や貢献意識が高い社員が増えると離職率が低下するため、経営基盤の強化につながります。
社員に主体性が生まれる
職場の活性化が進むと、社員のモチベーションが維持され、主体性が生まれます。
なぜなら、社員が企業の目指す方向性や提供する価値を理解し、それらの実現のために社員が自ら考えて行動するようになるからです。
目の前の業務をこなすだけにとどまらず、チームや組織全体のことを自分ごとのように捉えられるでしょう。
企業理念が浸透する
目指すベクトルが異なる社員数が増えると、注力すべき業務以外にも時間を奪われてしまい、スピードを持った事業成長が難しくなります。
しかし職場の活性化を行うと、経営陣や社員全員が企業理念を明確にでき、企業浸透につながります。
コミュニケーションの活発化により、風通しのよい職場では、同じ方向性で業務に取り組みやすい環境ができるでしょう。
職場を活性化するための3つの準備
職場を活性化するには、まず課題や問題を見つけ、現状を認識する必要があります。
ここでは、具体的な3つの流れをご紹介します。
- ストレスチェックの実施
- 社内アンケートの実施
- 心理的安全性の確認
ストレスチェックの実施
ストレスチェックは、社員のメンタルヘルス状況について行うアンケートです。
実施後は、本人にその結果を伝え自らストレスの状況を把握してもらうことで、個人のメンタルヘルス不調のリスクを軽減させる目的があります。
また企業ごとに集団分析を行い、結果を職場環境の改善につなげ、社員のメンタルヘルス不調の防止が狙いです。
ストレスチェックは下記の3項目があります。
- 仕事の要因
- 心身のストレス反応
- 周囲のサポート
最近では、ハラスメントや働きがいを取り入れた項目があり、職場の見えない課題も発見するきかっけとしても重要な役割をになっています。
社内アンケートの実施
社内アンケートでは、社員が自社に対しどのような不満や課題を抱えているのかの把握が目的です。
上層部の目が届かないような手薄になっている業務や、社員の希望する職場状況と現状のズレが確認できます。
また、見えにくい不満やストレスの原因を社員目線で認識できます。
すでに見えていた課題に加え、新たな課題も発見しやすいため、その都度対策を立て改善するとよいでしょう。
このように課題を特定し、職場改善にダイレクトに活かせるため、社内アンケートは定期的な実施をおすすめします。
ただし、やみくもに実施しても社員は不満を持つため、実施する際はかならず社員への丁寧な目的説明と、理解を得た上で取り組みましょう。
心理的安全性の確認
心理的安全性とは、組織の中で自分の考えや気持ちを、安心して発言できることです。
チーム内で、ほかのメンバーが自分の発言を否定したり、罰したりしないと確信できる状態を指します。
心理的な安全が高い職場では、質問やアイディアが積極的に飛び交い、考えを率直に発言できます。
したがって、活性化のために1人ひとりが自分の意見を発言でき、のびのびと働きやすい環境かの確認を行いましょう。
活性化するための計画実施
ストレスチェック、社内アンケートなどで職場の現状を確認したところで、実際に実施する職場の活性化の計画を作成します。
職場の活性化計画の作成
職場を活性化するための3つの準備で、明確になった問題点や課題を整理し、組織やチームごとに計画を立てます。
緊急性の高い課題から優先的に取り組み、その後職場の現状や人材配置などを考慮し、時間やコストがかからない改善策から取り組みます。
小さな改善でも業務の効率化や社員の働きやすさにつながるため、些細なことでも取り上げましょう。
計画の実施
具体的な計画が作成ができると、計画の実施に取り組みます。
取り組みの実施や改善をするなかで、特定の人のみに負担が集中したり、チームの一部だけが改善されても効果は出にくいです。
まずは、取り組みをチーム全体に共有し、取り組む対象以外の人も関心を持つよう注意しましょう。
このように職場全体で協力しながら計画を進め、対象外の人も支援する雰囲気作りが大切です。
取り組みが進み、成果が現れ出したら、ほかの部署にも取り組みの共有をおすすめします。
一部の組織が積極的に、職場の活性化に取り組むことでほかの組織も刺激され、相乗効果が生まれるでしょう。
計画後の成果確認・記録
計画で実施した内容と出た成果は、かならず記録しましょう。
その際は下記の項目をあらかじめ決めておくことをおすすめします。
- 実施前の業況
- 実施内容
- 改善したこと
- 工夫したこと
など
一度決めておくと、次回から取り組む際も、確認と記録がしやすくなります。
また、実施中の進捗確認の記録も行うとよりいいでしょう。
そして、活性化の計画後もストレスチェックで集団分析を行い、実施前とあとでどのように変化したのかを確認します。
効果が出た取り組み、まだ効果が出るまでに時間がかかる施策などを把握し、PDCAサイクルに沿った職場づくりを継続して取り組みましょう。
職場環境の改善のポイントとは
職場の活性化に取り組むなかで、改善のための具体的なポイントはあるのでしょうか。
ここでは、4つのポイントをご紹介します。
- 社員全員に当事者意識を持ってもらう
- 社員全員が発言できる仕組みを作る
- 多面的なコミュニケーションを取る
- ほかの組織の業務内容を共有し関わりを持つ
社員全員に当事者意識を持ってもらう
まずは社員全員に、自分の関わる業務は会社のなかでどのような役割なのか、会社が提供するサービスは会社にもたらす影響を理解してもらいます。
それにより、社員は自分の業務役割に対し当事者意識を持てるようになります。
職場の活性化の実施に対しても、組織全体の課題として参加してもらいやすくなるでしょう。
チーム全員が発言できる仕組みをつくる
2つ目のポイントは、社員1人ひとりが役職を問わず、平等に意見を発言できる仕組みを整えることです。
上下関係があるビジネスシーンにおいて、メンバーがマネージャーに対し、発言しがたい職場はまだまだ多いでしょう。
また、発言する人しない人がいるチームの中で、意見を発信する人ばかりに偏りが出る場合も多々あります。
- ミーティングの前にアジェンダや資料を共有し、参加者に目を通してもらう
- ミーティング中では、参加者全員が、意見を発言する時間を設ける
- 毎日のミーティングを実施している場合は、全員が発言する時間を設ける。
このように、社員が常に発言できる機会を設け、何か課題が発生した際に発表できる仕組みをつくります。
また同時に、自分の意見が否定されたり、発言を後悔したりするなど心理的な障壁を取り除く環境を整える取り組みも必要です。
勇気を持って発言しても、否定されてしまうと、「意見をあげても無駄だ」などと、意見が出にくい職場環境になりかねません。
職場を改善するための大きい問題や課題だけでなく、日常でよかったことなど些細なことを日頃のミーティングで、社員が発言しやすい空気をつくることも効果的です。
意見の交換や日常の共有の活発化で、コミュニケーションを増やし職場を活性化させましょう。
多面的なコミュニケーションを取る
職場を活性化させる3つ目のポイントはコミュニケーションの活発化です。
社内のコミュニケーションは、マネージャーとメンバーなど縦の関係だけでなく、チーム内の同僚である横のつながりもあります。
さらに、他のチームのメンバーやチーム長など多面的に働きかける必要もあるでしょう。
コミュニケーションは、どうしても組織内、チーム内だけや業務上で関わるメンバーに限ることが少なくありません。
まずは、すぐに取り組めるコミュニケーション方法から実践しましょう。
ここでは、多面的なコミュニケーションの取り組みをご紹介します。
- 毎週の1on1ミーティングを、他部署のマネージャーと入れ替える
- 同期・業務上のつながりが多い部署とのランチ会を実施する
- 月に1度は、他部署とのディスカッションや交流会を実施する
- 新入社員と中堅社員の世代間でミックス懇親会を企画する
- 懇親会やランチなどの費用を会社で補助する
- 共通の趣味の社員を集めて、部活動制度を導入する
- 社内報で、社員にインタビューした記事を取り上げる
- チャットを使用する場合は、業務以外の雑談スレッドを作成しオンライン上でも交流を活性化する
- 社内SNSや社内掲示板を活用し、話題になるトピックを発信し情報を共有する
上記の多面的なコミュニケーションの活発化が進むと、自分と関わりのない他部署の業務内容にも興味を持てるようになります。
他部署の業務内容を理解すると、部署間同士がよりスムーズな連携を取れるようになります。
また、コミュニケーションも深まり思いやりを持ったやり取りが期待できるでしょう。
このように広い視野で会社全体の業務を把握でき、社員個人にもいい刺激となります。
社員が前向きに働きやすい環境を整える
社員が働く会社に求めることは、業務がしやすい環境と社内の良好なコミュニケーションです。
どちらが欠けても社員は前向きに働けず、定着率は上がらないでしょう。
そのために、下記を意識した職場活性化の取り組みを行いましょう。
- 社員全員が自分らしく、臆することなく発言できる機会が設けられていること
- 社内のコミュニケーションが活発に行われていること
- ストレスチェック、社内アンケートを定期的に行うこと
活性化により、企業の生産性も向上し、離職率も下がる効果が期待できます。
まずは、すぐに取り組める施策から、取り組んでみてはいかがでしょうか。