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ピープルマネジメントに必要な5つのスキルとは?役立つ資格も紹介

メンバーの成長を目的に行うピープルマネジメントは、マネージャーが身につけておくべきスキルがあります。

スキルを身につけないまま実施すると、思わぬトラブルが起きる可能性もあります。

今回は、ピープルマネジメントの意味をはじめ、ピープルマネジメントに必要なスキル、役立つ資格をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

ピープルマネジメントとは

ピープルマネジメントとはどのような意味なのでしょうか。

マネジメントとの違いも併せて解説します。

ピープルマネジメントの特徴

ピープルマネジメントとは、メンバー1人ひとりの成功を目指すマネジメントのことです。

そして、メンバーの成長を通して企業の成長を促します。

ピープルマネジメントの特徴は、メンバーのモチベーション・エンゲージメントアップを重視していることです。

マネージャーはメンバー1人ひとりと向き合い、メンバーをサポートしていきます。

マネジメントとの違い

マネジメントの特徴は、成果を上げ企業の成長を重視していることです。

マネージャーは企業の成長のために戦略的な育成を実施します。

ピープルマネジメントはメンバーが成功できるようにサポートします。

企業の成長を重視しているのがマネジメント、メンバーの成長を重視しているのがピープルマネジメントです。

ピープルマネジメントの詳細については、以下の記事を参考にしてください。
ピープルマネジメントとは?企業の成長につながるコツも解説

ピープルマネジメントが重要な理由

近年では従来のマネジメントより、ピープルマネジメントに注目が集まっています。

では、なぜピープルマネジメントに注目が集まり、重要視されているのでしょうか。

以下が理由の3つです。

ピープルマネジメントが注目される背景
  • さまざまな働き方・価値観があるから
  • 流動的なキャリアを考える人が多いから
  • ビジネスの在り方が変わっているから

順にみていきましょう。

さまざまな働き方・価値観があるから

これまではトップダウン型の働き方・価値観が主流でした。

しかし、1980年代・1990年代中頃に生まれたミレニアル世代、1990年代後半から2012年頃までに生まれたZ世代など、さまざまな世代が社会人となる現代では、トップダウン型の考え方では共感を得られない上、モチベーションを下げてしまいます。

ミレニアル世代やZ世代は企業の今後を担う重要な存在です。

優秀な人材の離職を避けるためにも、メンバー1人ひとりに寄り添うピープルマネジメントを活用しましょう。

また、正社員にとどまらないさまざまな働き方が拡がっています。

企業の成長のためには、メンバー1人ひとりがモチベーション・エンゲージメントを高くもって仕事に取り組む必要があります。

ピープルマネジメントを実施し、メンバー1人ひとりの良さを引き出せばよりよい企業になっていくでしょう。

流動的なキャリアを考える人が多いから

終身雇用制度が主流だった時代が終わり、キャリアアップなどさまざまな目的でキャリアチェンジをする方が増加しています。

雇用形態を変更する方も増えており、転職に関するテレビコマーシャルが多いことにも象徴されていることがわかります。

そのため、これまでのマネジメントのように均一的な育成を行うことは難しいです。

ピープルマネジメントを実施すればエンゲージメントを向上できるため、人材の定着率をアップできます。

ビジネスの在り方が変わっているから

前述の通り、終身雇用制度が終わりを迎えました。

加えてテクノロジーの進化や海外人材の流入、ダイバーシティ推進、リモートワークの拡大など、さまざまな分野で革新が進んでいます。

革新が進むと、企業を成長させる方法も変化していきます。

ピープルマネジメントは1人ひとりに向き合ったマネジメントを行うため、企業の適応能力もアップさせられるのです。

ピープルマネジメントのメリット

メンバーのモチベーションやエンゲージメントをアップすることで、企業の成長を促すピープルマネジメント。

メンバー1人ひとりと向き合うことは難しい・手間だと考える方もいるかもしれません。

しかし、ピープルマネジメントには以下のメリットがあります。

ピープルマネジメントのメリット
  • メンバーのエンゲージメントが向上する
  • メンバーの自律性がアップする
  • メンバーとのコミュニケーションが活発になる
  • マネージャー像が確立する
  • 企業の生産性がアップする

順に解説します。

メンバーのエンゲージメントが向上する

ピープルマネジメントのメリットは、メンバーのエンゲージメントが向上することです。

ピープルマネジメントでは、企業の理念やビジョンを共有したうえでマネジメントを行います。

これまでのマネジメントではマネージャーとメンバーの考え方・価値観に違いがありました。

考え方や価値観が異なると「この仕事は何につながっているのか」「企業の成長に役立っているのか」などがわかりません。

しかし、ピープルマネジメントでメンバーが企業理念・ビジョンをマネージャーが伝え、メンバーが理解し共感を得られれば、エンゲージメントの向上が期待できます。

マネージャーとメンバーのつながりを感じれば、人材の流出も防げます。

メンバーの自律性がアップする

メンバーの自律性がアップすることもピープルマネジメントのメリットのひとつです。

ピープルマネジメントでは、マネージャーとメンバーが密にコミュニケーションをとります。

コミュニケーションといっても、命令や指示が中心ではありません。

命令や指示のみの場合、言われるがままに仕事をすることが増えてしまいます。

ピープルマネジメントは、マネージャーがメンバーの意見を尊重しながら、ともに進んでいくマネジメント方法です。

そのため、自分がすべきことや成長について考える機会が増加し、自律性がアップします。

メンバーとのコミュニケーションが活発になる

メンバーとのコミュニケーションが活発になることも大きなメリットです。

メンバー1人ひとりの成長をサポートするためには、「今何に悩んでいるのか」「仕事への考え方はどのようなものか」などを理解する必要があります。

マネージャーとメンバーの関わりが重要となるため、自然とコミュニケーションが活発になります。

マネージャーとメンバーのコミュニケーションを増やしたり、1人ひとりと向き合う頻度を上げることに役立つのが、1on1ミーティングです。

1on1ミーティングは人事評価面談と異なり、“マネージャーとメンバー間の信頼関係の構築”や“チームの心理的安全性の確保”、“メンバーのキャリアの自律”、“業務上の課題解決”をアプローチするものです。

これらがアプローチできれば、モチベーション・エンゲージメントのアップも期待できます。

1on1ミーティングについては以下の記事を参考にしてください。
『1on1ミーティングとは?目的・手法・進め方を解説』

マネージャー像が確立する

トップダウン型ではなくメンバーと併走するピープルマネジメントでは、これまでのマネージャーの理想像とは違っています。

理想のマネージャー像は、メンバーと向き合う力があり、コミュニケーションをとりやすく頼れる存在です。

企業理念やビジョンをメンバーに伝え、同じ目標に向かえるようにサポートする力も大切です。

ピープルマネジメントを実施すれば理想のマネージャー像が確立するでしょう。

企業の生産性がアップする

ピープルマネジメントの大きなメリットとして、企業の生産性がアップすることがあげられます。

メンバーのエンゲージメントの向上や、目指す方向性の一致により、1人ひとりの役割が明確になり、モチベーションを高く持って仕事に取り組めます。

ピープルマネジメントでマネージャーが必要なスキル

ピープルマネジメントを成功に導くためには、マネージャーのスキルが重要です。

必要なスキルは以下の5つです。

ピープルマネジメントが注目される背景
  • 育成能力
  • コミュニケーション能力
  • コーチング・ティーチング・フィードバックを使い分ける能力
  • 目標管理能力
  • リーダーシップ

順に解説します。

育成能力

ピープルマネジメントで非常に重要なスキルのひとつが、育成能力です。

メンバーの成長は、メンバー自身が意欲をもって取り組むことももちろん重要ですが、マネージャーのサポートも欠かせません。

1人ひとりと向き合い、各メンバーに合った育成を行いましょう。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力も必要なスキルです。

ピープルマネジメントを行う上で重要なのは、メンバーに信頼してもらうこと。

メンバーとのコミュニケーションの中で信頼関係を築けます。

例えば、話を熱心に聞くことです。

固定概念を押し付けたり、結果を急いだりするのではなく、話すメンバーと目を合わせて話を最後まで聞くことが重要です。

また、 オープンクエスチョンで会話をすることも重要なスキルだと言われています。

オープンクエスチョンとは、はい・いいえ以外で答えられる質問のことです。

メンバーの考えや悩みを理解するには、メンバーの言葉で具体的に話してもらう必要があるため、 オープンクエスチョンでコミュニケーションをとりましょう。

最後に重要なのは、普段からコミュニケーションをしっかりとることです。

日々コミュニケーションをとれば信頼関係を構築でき、問題があればすぐに解決できます。

コーチング・ティーチング・フィードバックを使い分ける能力

コミュニケーションの中で、コーチング・ティーチング・フィードバックを使い分けることも大切です。

コーチングとは、メンバーの考えや課題を聞き出すことです。

否定したり指示したりするのではなく、質問をしながらメンバー自身が課題に対する気づきを得る必要があります。

次にティーチングとは、その名の通り教えることです。

業務に必要な知識を指導し、実際の仕事で活かすことが目的です。

最後にフィードバックとは、メンバーの現状・課題点を伝え、改善することを言います。

コーチング・ティーチング・フィードバックに共通するのは、傾聴・観察・承認するスキルをもつことです。

はじめからすべてのスキルを身につけることは難しいため、マネジメント研修や資格の習得で徐々に身につけていきましょう。

目標管理能力

3つ目に必要なスキルは、目標管理能力です。

ピープルマネジメント実施時には、メンバーの目標設定を行います。

目標設定後は放置するのではなく、進捗管理を行うことが重要となります。

成果が出ていない場合も、目標に向かってどのような取り組みを行ったのかを理解できるようにしましょう。

目標の進捗を理解し、サポートすればメンバーのエンゲージメントアップが期待できます。

リーダーシップ

リーダーシップはマネジメントに欠かせないスキルです。

しかし、ピープルマネジメントでのリーダーシップはメンバーをただ率いるだけではありません。

謙虚な姿勢を持ち、明確な信念をもって率いることが重要です。

例えば、うまくいかなかったときに感情的になるのではなく、改善点を判断しサポートすることが重要になります。

また、物事の判断をする際には、ブレのない正否を持たなければなりません。

他にも、意欲・熱意を持って率いる力も重要です。

成功のために熱意を持ってメンバーに説明し、意欲を持ってサポ―トすれば、チーム・企業の成功につながります。

ピープルマネジメントに活用できる資格

ピープルマネジメントに活用できる資格はさまざまな種類があります。

今回は7つの資格に焦点を当てています。

ピープルマネジメントに活用できる資格
  • 経営学検定試験
  • ビジネスマネージャー検定
  • キャリアコンサルタント
  • Project Management Professional
  • メンタルヘルス・マネジメント検定試験
  • 論理的思考士
  • 公認モチベーション・マネジャー資格

順に解説していきます。

経営学検定試験

経営学検定試験は、特定非営利活動法人「経営能力開発センター」が認定する資格で、マネジメント検定とも呼ばれています。

経営に関する知識が一定水準に達していれば資格取得できます。

知識の有無のみでなく、経営管理能力や問題解決能力も身につけていることが必須です。

資格を取得すれば、企業・チームの成長のために役立ちます。

試験区分は1級・2級・3級の3つです。

それぞれの区分によって合格率は異なりますが、おおよそ50%だと言われています。

難易度は低めのため、挑戦しやすい資格だといえるでしょう。

ビジネスマネージャー検定

ビジネスマネージャー検定は、東京商工会議所が認定する資格のことです。

マネージャー・将来のマネージャーが身につけるべきマネジメント知識を体系的に学び、資格取得ができます。

資格を取得すれば、ピープルマネジメントにおいて重要な基礎的な知識を身につけられます。

試験は年に1度行われ、合格率は40%前後です。

簡単ではありませんが、そこまで難易度の高い資格ではありません。

キャリアコンサルタント

キャリアコンサルタントとは、職業能力開発促進法に認められた国家資格です。

労働者にとって望ましい職業選択や、キャリア開発をサポートするために取得し、人事や人材会社、ハローワークなどで活かせる資格です。

もちろん、ピープルマネジメントでも活かせます。

キャリア形成の気づきを促すセルフキャリアドックやの知識も身につけられるため、メンバーのモチベーションアップや定着率アップに貢献できます。

試験は年に3度行われ、合格率は約40%です。

Project Management Professional

Project Management ProfessionalはPMPと呼ばれ、プロジェクトマネジメントに関する国際資格のことを言います。

世界共通の資格で、海外人材が流入している現代に非常に有効的な資格です。

プロジェクトの立ち上げから完了まで一貫して管理し、メンバーをコントロールする力が身につきます。

最先端のマネジメント方法を身につけられるため、ピープルマネジメントにも大いに役立つでしょう。

試験はピアソンVUE試験会場でほぼ毎日実施されています。

メンタルヘルス・マネジメント検定試験

メンタルヘルス・マネジメント検定試験は、メンタルヘルスケアに関する知識や対処法を習得する資格です。

資格取得により、労働者の心の不調を未然に防いだり、ケアを行ったりすることができます。

心の不調を抱える方が増加する現代には必須の資格だと言えるでしょう。

試験区分は1種・2種・3種の3つあり、メンバーのメンタルヘルス対策にはⅠ種が役立ちます。

試験は年2回行われています。

論理的思考士

論理的思考士とは、論理的な思考力を持ち、論理的な視点からアドバイスする能力を習得する資格です。

似た資格にロジカルシンキングマスターがありますが、基礎的な知識を身につけるもので、論理的思考士とは異なります。

問題解決のために必要な多角的な視点や論理的な思考力をもって行動できれば、ピープルマネジメントに活かせます。

試験は年に5回行われ、在宅で受験できることが特徴です。

公認モチベーション・マネジャー資格

公認モチベーション・マネジャー資格では、モチベーションをマネジメントする力を習得できます。

自分自身のモチベーションをアップさせるBASIC資格と、メンバーのモチベーションをアップさせるADVANCED資格があります。

ピープルマネジメントで特に重要となるのが、ADVANCED資格です。

モチベーションに関する理論と実践スキルを学び、メンバーの成長のために活かせるでしょう。

試験は年に2度、オンラインで行います。

スキルを活かして実施すべきこと

必要なスキルを身につけたら、ピープルマネジメントに活かしましょう。

ピープルマネジメントのスキルを活用できる場面
  • 目標管理サポート
  • 進捗管理
  • 1on1ミーティング

順に解説していきます。

目標設定サポート

ピープルマネジメントは目標設定からスタートします。

目標設定時に重要なのは、メンバー自身に考えさせることです。

しかし、ただメンバーに設定を依頼するだけではありません。

マネージャーは設定した目標が以下に当てはまっているかを確認する必要があります。

  • 成長のための目標である
  • 成功の定義が明確である

もし、2つの要素が入っていない場合には正しい方向に導いてあげましょう。

進捗管理

目標管理能力や育成能力を活かし、進捗管理も行いましょう。

進捗管理では、任せている仕事の進み具合や、目標の達成度を管理します。

もし思うように進んでいない場合は、メンバーに悩みや課題がないかを確認するようにしましょう。

1on1ミーティング

コーチング・ティーチング・フィードバックを使い分けるコミュニケーション能力を身につけたら、1on1ミーティングの実施もおすすめです。

1on1ミーティングでは、マネージャーとメンバーが1対1で会話をします。

ピープルマネジメントの目的であるメンバーの成長を目指し、関わり合うようにしましょう。

ピープルマネジメントに必要なスキルを身につけて企業の成長を目指そう

ミレニアム世代やZ世代などさまざまな世代が社会を背負っていく現代で、ピープルマネジメントは欠かせません。

メンバーの成長・成功は、企業の生産性アップにつながります。

マネージャーの方々は必要なスキルを身につけ、さまざまな事項を実践していきましょう。

特におすすめしたいのが、1on1ミーティングです。

しかし、「1on1ミーティングをしたことがない」「以前うまくいかなかった」といった場合には、なかなか取り組むことが難しいかもしれません。

マネジメント支援型1on1サービス「revii(リービー)」は、
1on1ミーティングの実施状況やマネジメントとそれによる組織力の発揮度合いを可視化し、
離職などの組織課題の発見とマネージャーの自律改善を支援します。

ぜひ1度ご検討ください。

reviiコラム編集部

revii(リービー)のサービス企画・運用に携わるメンバーが、組織改革やマネジメント育成、1on1ミーティングなどで役立つ情報・HowToを発信しています。
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