マネジメントとは
マネジメントとは、組織の目標達成に向けた人材管理のことです。
マネジメントはさまざまな手法で行われます。
1on1ミーティングもそのひとつです。
単にメンバーの仕事の進捗や内容を管理するだけではなく、会社が期待する成果が出せるようにするまでがマネジメントに求められる効果です。
マネジメントを適切に機能させ、十分な成果をあげるための1手段が1on1ミーティングだといえます。
マネジメントの役割
マネジメントの役割は、主に以下の5つです。
マネジメントの5つの役割
- 組織・個人の目標設定
- メンバーの動機付け
- メンバーの育成
- メンバーと組織の目標達成
- メンバーへの評価とフィードバック
それぞれ解説します。
役割1:組織・個人の目標設定
マネジメントの役割のひとつは、チームおよびチームに属するメンバーの目標を設定することです。
個々のメンバーが好き勝手に目標を決めていては、組織全体の目標を達成することは困難です。
会社が社員に求める働きができるよう、マネージャーが適切な目標設定をしてください。
役割2:メンバーの動機付け
メンバーが業務に進んで取り組むためのモチベーションづくりも、マネジメントに必要な要素です。
メンバーに働きかけ、主体的に仕事に臨める状況を整えます。
「上司の指示だから」「会社の言うことだから」ではなく、メンバー自身が業務を行えるよう意義を見出せるよう導くことが求められます。
役割3:メンバーの育成
より効率よく業務が行えるよう、メンバーの能力を向上させることがマネジメントには求められます。
普段の仕事に対するフィードバックと、メンバーが抱える課題に対する具体的な解決方法の提案を繰り返すことで、メンバーの業務能力を向上できるでしょう。
モチベーションを高めることで、能力向上も容易になります。
役割4:組織・個人の目標達成
チームやチームのメンバーの目標を立てるだけでなく、目標達成までフォローする必要があります。
目標を達成するためにクリアする必要のある課題を明らかにし、具体的な解決策を提案してください。
抽象的なアドバイスや根性論では、効率的な課題解決はできません。
メンバーの課題に応じて、情報・人脈・予算・物品など、必要なリソースを投下するとよいでしょう。
役割5:メンバーへの評価とフィードバック
マネジメントではメンバーの現状に応じた評価をし、本人にフィードバックすることも必要です。
メンバーをひたすら仕事に駆り立てるだけでなく、成果が上がったなら適正な評価を行うことが重要です。
またフィードバックの仕方によって、フィードバックを受ける側の印象は変わるため、フィードバックを行う際はメンバーの自尊心を傷つけないように配慮しましょう。
1on1ミーティングとは
1on1ミーティングとは、マネージャーとメンバーの1対1の対話を通じ、メンバーの業務能力を高めるマネジメント手法です。
会社やチームではなく、あくまで“メンバーのために行う”意識を持つ点が、人事評価面談などの一般的な面談とは異なります。
1on1ミーティングのメリットや実施の仕方については、以下の記事で詳しく紹介しています。
マネジメントにおける1on1の役割
マネジメントにおいて、1on1ミーティングは以下のような役割を持ちます。
1on1ミーティングの役割
- 目標設定からフィードバックまで連続的に行う場
- メンバー1人ひとりの課題に向き合う場
- メンバーとマネージャー間の人間関係を築く場
ひとつずつ解説します。
役割1:目標設定からフィードバックまで連続的に行う場
1on1ミーティングをマネジメントに取り入れることで、メンバー個人の目標設定から業務内容へのフィードバックまで、連続的に行う場を作れます。
1on1ミーティングは定期的・継続的に実施するものであるため、その場その場のアドバイスに終始せず、経過を見ながらアドバイスが可能です。
役割2:メンバー1人ひとりの課題に向き合う場
1on1ミーティングはメンバー1人ひとりの課題に深く焦点を当てられます。
多くのメンバーが所属するチームをマネジメントしていると、“チームのマネジメント”という意識が強くなりがちです。
したがってメンバー1人ひとりに焦点を当てる感覚が薄れることも少なくありません。
1on1ミーティングは原則的にマネージャーとメンバーが1対1で行うため、意識的に個人に目を向ける機会を作れます。
役割3:メンバーとマネージャー間の人間関係を築く場
1on1ミーティングを通じて、メンバーとマネージャー間の結びつきを強められます。
いくら「仕事だから」といっても、よく知らない相手やあまり信用していない相手の指示を受けるのは抵抗があるものです。
指示に対しスムーズにメンバーが動くか否かは、チーム内の人間関係ができているかに影響を受けます。
1on1ミーティングは業務のこと以外に、お互いのプライベートなどにかかわる話題にも触れます。
単なるマネージャー・メンバーという肩書きではなく、1人の人間として関係を深めることで、効率よく業務上のやりとりができる環境を整えられます。
マネジメントに1on1ミーティングを活用して得られる効果
1on1ミーティングにはメンバーとの関係性を構築したり、メンバーの成長の場として活用されると説明しました。
では1on1ミーティングを通して得られる効果はどのようなものがあるのでしょうか。
1on1ミーティングで得られる効果は以下があげられます。
1on1ミーティングを活用して得られる効果
- 人に関わるトラブルが減る
- エンゲージメントが向上する
- 退職率が減少する
- 生産性が向上する
人に関わるトラブルが減る
1on1ミーティングによって人に関わるトラブルが減ります。
なぜなら1on1ミーティングでは、メンバーとマネージャーの対話により、悩みや課題を解決できメンバーが成長できるからです。
メンバーが成長すると効率よく仕事ができるようになり、心にゆとりを持てるようになります。
ゆとりを持ち前向きに仕事に取り組むメンバーが増えると、感情的に怒ったりする人が少なくなるため人に関わるトラブルが減るのです。
エンゲージメントが向上する
1on1ミーティングを活用すると、メンバーのエンゲージメントが向上します。
対話によって自分のやりたいことが明確になるからです。
マネージャーからのフィードバックによって新たな気づきを得られるため、対話を重ねるうちにやりたいことや道が見つかります。
またお互いの価値観を知ったり、関係性が構築されると、メンバーは「自分の居場所がある」と思うようになります。
それによってメンバーの帰属意識が高まり、働くことが楽しい状態となりエンゲージメントが向上するのです。
退職率が減少する
退職率の減少も1on1ミーティングによって得られる効果のひとつです。
先ほど1on1ミーティングによって、メンバーがイキイキとし、働くことが楽しくなる状態になるためエンゲージメントが向上すると説明しました。
エンゲージメントが高い状態は、退職や転職を考える人が少ないため退職率が減少します。
生産性が向上する
1on1ミーティングによって生産性が向上するでしょう。
1on1ミーティングはメンバーと悩みや課題の解決策を一緒に考えたり、メンバーの成長を促したりできるからです。
例えば「最近業務の進め方に悩んでいそうだから、タスク管理が上手な人をつないであげよう」とマネージャーは考え、アクションをしたとします。
それによってメンバーはタスク管理のコツを理解でき、スムーズに仕事を進められるようになるため業務の効率が上がります。
メンバー1人ひとりがスキルアップすると、スムーズに仕事を進められるようになり、生産性が向上するのです。
1on1ミーティングでマネジメントをする側が意識すべきことは以下の2つです。
- 1on1ミーティングの目的を明確にする
- 対話をする
実際に1on1ミーティングを導入するときに、ぜひご参考になさってください。
1on1ミーティングの目的を明確にする
1on1ミーティングをする際は目的を明確にしましょう。
目的が明確になっていないまま、1on1ミーティングを行うとフィードバックの意図が伝わらず、メンバーの成長促進が難しくなってしまいます。
先ほど説明した1on1ミーティングの効果を十分に得るために、目的を明確にしてメンバーと共有しましょう。
そして定期的に目的から逸れていないかの振り返りも大切です。
対話をする
1on1ミーティングで意外と忘れてしまいがちなのがメンバーと対話をする意識です。
多くのマネージャーはメンバーよりも経験が豊富なため、メンバーの成長のためにアドバイスをしてあげたくなるのが性です。
一方的にマネージャーが話していては、メンバーは気づきを得ることが難しくなってしまいます。
対話によってメンバーは自分の考えをアウトプットして頭を整理できのです。
さらにマネージャーと一緒に解決策を考えられるため、課題に対して前向きになれるでしょう。
まとめ|1on1ミーティングでマネジメント効率アップ
マネジメントを単なる業務管理にとどまらせず、メンバーやチーム、ひいては会社全体の目標達成に向けた取り組みにするために、1on1ミーティングが有効です。
また1on1ミーティングには、メンバーのエンゲージメントを高め、業務の遂行効率を上げる効果があります。
1on1ミーティングを導入して、メンバーの成長を促し、マネジメントの効率も高めましょう。