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【第1回目】revii事業責任者が語る1on1ミーティングの本質と実施目的とは

曽良 竜太
株式会社ZENKIGEN revii事業責任者
全てのチームを「最高のチーム」に。
というビジョンを掲げる「revii(リービー)」事業部の責任者「曽良(かつら)」に
1on1ミーティングの本質についてインタビューをしました。

本記事は、1on1の重要性は理解しているものの、
優先度が上がりきらないマネージャーや、
そういった組織文化を持った人事の方にご覧いただきたいと思います。

1on1が求められている背景は?

少しマクロな視点からご説明させて頂きます。

今後の日本を予測すると、少子高齢化に伴い労働人口の減少はほぼ確実な未来として
皆様認識されているかと思います。

また、人材競争力の低下もどんどん進み、先進国の中でも下位に位置するようになってきます。

それに加え、産業構造の変化も起きている中で、人にしかできないクリエイティビティや
ホスピタリティのような力が求められている。

そのような時代背景の中で、働く人々は「生産性」の向上を会社から求められています。

1on1はそういった人の生産性を上げるための1つの手段である事が
社会的に認知され、普及してきました。

社会的に認知されている?

ヤフー株式会社が実施したビジネス変革の一手として1on1があったということが書籍を中心に広まり、
ベンチャー企業中心に認知が進んだのが2012年代からです。

当時のヤフー株式会社は、今後の会社の成長のためには、
社員の能力やエンゲージメントを最大化させることが重要と考え、
「人材開発企業」になることを目指しました。※注1

個人の働きがいややりがいを向上させるために1on1がはじまったのですが、
ベンチャー企業も同様の課題に頭を悩ませていたので
目的と手段が一致していたということですね。

その時の手法として業務外の事やキャリアについて話す事が多く、
それが今でも1on1イメージにつながっています。

そんな中、エンゲージメントという言葉が世の中に浸透してきたり、
コロナが理由でリモートでの働き方が急激に増え、
大手企業も働きがいややりがいを向上させる必要性が高まり、
1on1の実施が一気に増えたという理解です。

※注1)Unipos株式会社「ヤフーが実践した1on1のやり方・効果・マネジメントへの活用方法まとめ」2021年11月12日
<https://media.unipos.me/yahoo-1on1>

現在の1on1に対する問題意識は?

生産性を向上させる際に、社員の働きがいや、やりがいを高めるアプローチは正しいと思っています。

ですが、その手法として「全員が1on1で業務外の話やキャリアについて話す」ことが
目的になっている点に問題があると思っています。

これまでそういったマネジメントを受けてこなかったマネージャーが、安易に上記のような問いを投げかけ、
うまく深堀もできず、お互いに気まずい空気が流れてしまう1on1を体験してしまうと、
マネージャー側も手応えを感じず、メンバー側も意味を感じてないので頻度自体が減少してしまいます。

1on1の本質とは?

1on1とは、マネージャーが組織目標を達成するためにメンバーを
マネジメントする一つの手法に過ぎません。

そして1on1は、組織目標を達成する為の数あるマネジメント手法の中で、
最も現代にフィットしており、効果的、効率的だと思っています。

働く価値観が多様化している昨今の人材に気持ち良くかつ、
生産性高く働いてもらうために1対1の空間で、メンバーの状態に応じて
傾聴や承認、コーチング、ティーチング、フィードバックというスキルを用いて、
業務サポートや、動機付け、成長を促すための内省を促すというアプローチをマネージャーが行う。

そうすることでメンバーが活き活きと働き、
業務遂行の成果や効率が高まる(生産性向上)というシンプルなお話しです。

本来、生産性向上のためだった1on1が、多くの会社ではいつしか
「メンバーのやりがい向上のためにキャリアの話をするべき、となってしまいます。

メンバー育成のためにコーチングをするべき」という手段ばかりに目を向けられ、目的を見失った結果、
マネージャー側も実施するうえで求められるハードルが高いが故に意味が理解できず、
忙しくて実施されない。というのが現状かと思います。

上記のように、本来1on1はマネージャーが提供する1つのマネジメント手法であると
ご理解頂きたいのですが1つ注意点があります。

マネジメントの目的はあくまでもメンバーの生産性を向上させ、活き活きと働いてもらうことなので、
この1on1の時間が、マネージャーのための時間になってはいけません。

あくまでもメンバーのための時間であり、
1on1時のマネージャーメンバーの関係性はフラットである必要があります。

そうでないと、メンバーの本音は引き出せないし、仮に一時的にメンバーの生産性を高めることが出来ても、
活き活きと働いてもらうことで持続的な効果を維持することができませんのでご注意ください。

マネージャー側に求められるスタンスとは?

上記注意点はつい、忘れられがちなのですが、その理由はマネージャー側のスタンスにあります。

必要なのは「経営者スタンス(メンバーに対して自分のやりたいことを
手伝ってくれてありがとうというスタンス)」だと考えています。

メンバーを使って自らの目的を果たそうというスタンスだと、
言葉の節々や、態度、仕草から、必ずメンバーに伝わります。

そうなってしまうとメンバー側からの忖度が増え、本音が引き出せず、
マネージャーはどんどん裸の王様になっていきます。

その関係性が続くと、メンバーは自分のやりたいことをやっているわけではなく、
マネージャーがやりたいことをやってあげていることになるので、
働く意義や目的を見失った結果、大事な時にメンバーが逃げてしまったり、詰めが甘くなったりします。

自分の過去の経験から、マネージャーには経営者スタンスが必要であるということに気づきました。

私たちマネージャーにとってのマネージャーは、本来はビジョンやミッションなのです。

その言葉達を現実のものにする為に仲間が集まってくれ、手伝ってくれていると思っています。

reviiコラム編集部

revii(リービー)のサービス企画・運用に携わるメンバーが、組織改革やマネジメント育成、1on1ミーティングなどで役立つ情報・HowToを発信しています。
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