1on1ミーティングの目的を理解する
まずは、1on1ミーティング実施の前提として、その目的を理解しておきましょう。
メンバーとの対話を通じて、業務遂行率をあげる
1on1ミーティングの目的は、メンバーの業務遂行率をあげることにあります。
メンバーが独りでは解決できない部分をフォローして、前に進めるようアドバイスや、内省につながるフィードバックをすることがマネージャーの役割です。
そのためには、下記3つのアプローチを意識して対話をしていきましょう。
- 業務上のサポート
- メンバーの業務に対する動機付け
- メンバーの成長促進
適切な目標設定は、特にメンバーの成長促進につながります。
1on1ミーティング中に、目標設定で気をつけるべき5つのポイント
ここでは、1on1ミーティング中に行う目標設定で気をつけるべき5つのポイントを紹介していきます。
1.メンバーの現状整理
目標設定をする際に、まずはメンバーの現状整理をしていきましょう。
なぜなら、現在地がわからない状態ではメンバーに対して適切なサポートができないからです。
メンバーのスキルの習熟度や社内での立ち位置といった業務に関わる内容だけでなく、メンバーの心身の健康状態やモチベーションについても尋ねましょう。
1on1ミーティングは、そういった普段業務上の会話だけでは聞き出せない情報を引き出せる場です。
メンバーの現状が整理できたのちに、しかるべき目標設定のサポートをしていきましょう。
2.目標は段階に分けて考える
目標は段階に分けて考えていくと整理しやすいでしょう。
1on1ミーティング中は、今後のキャリアプランや達成したい野望・夢などについて、メンバーが通常業務の範囲を超えて話してくれることが多いです。
そのため、そのままの勢いで目標設定をすると、とても高い目標を設定をしてしまうことがあります。
将来に目線を向けるのはよいことではありますが、ときにそれは足元の業務に紐づかずに、目標達成の計画が形骸化してしまう恐れがあります。
目標を段階に分けて提示してあげると、より現実的な達成計画が作れるはずです。
また、目標を段階に分ける理由は、メンバーに無理をさせないためでもあります。
マネージャーの役割は、メンバーを不用意に焚きつけて、一心不乱に目標を追わせることではありません。
メンバーに現状の課題を自覚してもらい、それに合わせたサポートをしていくことがマネージャーの役割です。
3.マネージャーとしてだけではなく、複数の視点を持つ
メンバーと一緒に目標設定をしていくときは、複数の視点を持つようにしましょう。
1on1ミーティングは業務に関する話だけをする場ではありません。
メンバーの業務を顧みてのアドバイスも重要ですが、組織内のマネージャーとしての視点だけでなく、同職種を生業としている先輩としての視点や、組織を離れて個人としての視点など、目標設定には多角的な視点から意見を伝えれるとメンバーにとって有益です。
また、視点が偏っていると、サポートではなく説教じみた1on1ミーティングになってしまう恐れがあるので気をつけましょう。
4.1on1ミーティングで達成したい目標の進捗を確認する
目標は設定しただけでは意味がありません。
1on1ミーティングは定期的に開かれるものなので、目標に向けた進捗具合を確認するのに最適です。
そのためにも、目標をすぐに振り返れる仕組みを作っておくとよいでしょう。
メンバー側がアジェンダに、目標とそれに対する現状を記載してもよいですし、OKRといった目標管理システムが内包された1on1ツールも便利です。
5.メンバーの主体性を確保する
目標はメンバーが主体的に考えるべき内容なのですが、マネージャーが意見を言いすぎてしまい、まるで押し付けられたかのような目標が設定されてしまう場合があります。
1on1ミーティングは対話をする場なので、マネージャーからのアドバイスはあくまで補助程度に抑えて、メンバーが自身で目標設定できるようにしましょう。
マネージャーの手が入った目標よりも、メンバー自身が決めた目標のほうが達成に向けて取り組むモチベーションが高くなりやすいです。
1on1ミーティングでマネージャーが陥りがちな問題とは
ここでは、マネージャーが1on1ミーティングで陥りがちな問題と、対処法を紹介します。
問題を傾聴だけして、そのままにしてしまう
1on1ミーティングでは、メンバーの話を傾聴するスキルがマネージャーに求められます。
しかし、マネージャーが傾聴を勘違いして、ただメンバーの話を聞いただけで終わってしまい、まるで次の行動につながらないミーティングになることがあります。
マネージャーは、課題を一緒に考えて、適切なフィードバックをすることが重要です。
マネージャー視点のアドバイスしかしない
1on1ミーティングで、マネージャー自身の立場から考えたアドバイスしかせずに、メンバーが自分に活かせない場合があります。
重要なのは、メンバーの習熟度や性質、そのときの心身の状態などに合わせた提案をすることです。
そのためにも、1on1ミーティングでは、業務の話だけではなく、メンバーの特徴や状態を把握できるような対話をしましょう。
メンバーに無茶振りをして、業務を圧迫してしまう
1on1ミーティングで、メンバーから活発な意見が出てきた際に、マネージャーが良かれと思って、その意見に基づいた仕事の依頼や不必要な学習機会の提供などをしてしまうことがあります。
例えば、メンバーと「新しいデータの格納方法」についての対話になった際に、メンバーはただの一意見として話していただけなのに、マネージャーがそのメンバーにデータ整理プロジェクトの推進を任せてしまったりです。
マネージャーとしては、無邪気に提案したつもりが、メンバーからすると断れない形になっている場合がありますので、メンバーの業務や心身の状態などに合わせての提案、もしくは断れる関係値作りを心がけましょう。
1on1ミーティングを通じてメンバーの成長につながる目標設定をしよう
いかがだったでしょうか?
1on1ミーティング中の目標設定でマネージャーとして気をつける5つのポイントについて解説しました。
メンバーの現状把握や、マネージャーが自分の意見を主張しすぎないなど、注意する点は多くあります。
適切な目標設定はメンバーの成長促進に直結しますので、ぜひ本記事で学んだ内容を活かして1on1ミーティングを効果的に進めてください。