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1on1ミーティングの3つの成功事例!学びや、注意すべき3点もご紹介

社内でメンバーを教えている立場の人間として、1on1 ミーティングについて正しく理解しておく必要があります。


というのも、現代の日本社会はVUCAの時代と呼ばれる不安定な環境になりつつあり、会社内でも若手社員が3年未満に退職してしまう傾向も強まってきました。


このような背景の中で、会社内の様々な課題を解決する手法として1on1 ミーティングが注目され始めてきました。


そのため、今後メンバーを持つ立場になる人は、一般教養として1on1 ミーティングについて理解をする必要が出てくると考えられます。

1on1ミーティングを導入する前に、他社の事例は確認しておきたいところです。
この記事を読めば1on1ミーティングを導入して成果を出している企業の特徴がわかります。

すでに1on1ミーティングをおこなっている企業の事例から、成功要因や失敗しないためのポイントを知り、貴社の1on1ミーティング導入の一助になれば幸いです。

1on1ミーティングとは?

社内でメンバーを教えている立場の人間として、1on1ミーティングについて正しく理解しておく必要があります。

1on1ミーティングとはマネージャーとメンバーが1対1で定期的に対話をし、課題や悩みを共有する時間です。
1対1でコミュニケーションを取るため、相手の価値観からプライベートなことまで幅広く知れます。
そのため、マネージャーとメンバーの関係性が深まり、モチベーションやパフォーマンス向上につながります。

1on1ミーティングが必要とされる背景

1on1ミーティングが導入された背景には、社会状況や働き方の変化が関係しています。

価値観が多様化しているため、働き方もさまざまなものがあり、人材の流動性も高まっています。

人材の流動性が高まっている要因として次の2つがあげられます。

  • 昔に比べ転職する人が増えた
  • コミュニケーション不足による離職率上昇

上記の2つを解説します。

現代では価値観の多様化によって、労働者はより働きやすい環境で仕事をしたいと考える方が多く、自分に合う環境を常に探しています。
そのため、自分に適した会社を見つけた場合に転職するのは自然な流れでしょう。

さらに、リモートワークによってコミュニケーション不足になり、エンゲージメントの低下による離職が増えたことも転職を後押しした要因と考えられます。
つまり、社員のエンゲージメントを高め、離職の防止するために導入されたのです。

1on1ミーティングの3つの事例を紹介

1on1ミーティングをしたことがない方や、ロールモデルを見つけられていない方にとって、どのように1on1ミーティングを進めるかは大きな課題です。

会社経営においても、ベンチマークという手法があるように、何が成功要因なのかを理解して自分の経営に応用をすることで効率よく成果を出しやすくなります。

1on1ミーティングでも同じで、成功事例から成功の要因を学ぶことで、効率よく成果をだせるでしょう。

次の3社の事例を紹介します。

  • ヤフー株式会社
  • 株式会社ディー・エヌ・エー
  • 株式会社リコー

ヤフー株式会社

ヤフー株式会社はポータルサイトやネットオークション事業など幅広く事業を展開している企業です。
ヤフー株式会社は、日本でいち早く1on1 ミーティングを導入し、1on1ミーティングの先駆者として代表されるような企業となりました。

また、ヤフーでは7,000名を超える社員の内約90%が隔週で1回以上の1on1ミーティングを実施しています。

実際にヤフーでは、以下の2点を軸に1on1ミーティングを組み立てています。

  • 経験学習の促進
  • 社員の才能と情熱を解き放つこと

仕事の失敗や成功から学びを得て、普段の業務にどのように落とし込むかを導くことで経験学習を促進し、社員の成長につなげています。

また、社員の才能と情熱を解き放つことをコンセプトにし、さまざまな支援をしています。
メンバーの潜在的な能力を引き出すために、ティーチングやコーチングを用いて1on1ミーティングをおこなっています。
それによって、本人により適している仕事や役割が見つかり、社員のエンゲージメントが高まっているのです。

株式会社ディー・エヌ・エー

株式会社ディー・エヌ・エーは横浜ディー・エヌ・エーベイスターズをはじめとし、SNSやモバイルゲーム事業など、幅広く展開していることでも有名な企業です。

ディー・エヌ・エーでは、研修の段階から1on1ミーティングを導入しており、新入社員の育成や配属先決定に1on1を導入しています。

実際に、ディー・エヌ・エーでおこなわれている1on1ミーティングの特徴は以下の通りです。

  • 先輩社員がローテーションしてメンターをしている
  • 1on1ミーティングにて強み・弱み・会社での目標などをヒアリング
  • 1on1ミーティングの内容を全て記録しておく

上記のような特徴を持った1on1ミーティングを実施することで、ディー・エヌ・エー社では、新人社員が納得の出来る配属先を知ることが可能となります。
結果として、社員のモチベーションアップや離職率の低下につながりました。

また、さまざまなマネージャーと1on1ミーティングをすることにより、広い視野が持てるため、メンバーの課題解決に役立ちます。

株式会社リコー

株式会社リコーは、電気機器を中心に事業を展開している企業で、1936年から続く伝統ある企業です。

株式会社リコーでは、月に1回程度1on1ミーティングを実施しています。
株式会社リコーの1on1ミーティングの目的はメンバーの共感領域を広げるためです。

メンバーが何を考えているのかを把握し寄り添うことで、共感を作り出しています。
共感を意識した1on1ミーティングを定期的におこなった結果、社員の持つ悩みや不安などを解消できたとしています。

また週に1回は1on1ミーティングの大切さを周知していることも、会社全体が1on1ミーティングに意欲的になっている要因でしょう。

1on1ミーティングの質を高める4つのポイント

1on1ミーティングは正しく実施できないと、ただ時間を浪費するだけの行動になってしまいます。
貴重な時間を使い1on1ミーティングを実施するため、メンバーの成長につながるなどの効果を得たいものです。

効果的な1on1ミーティングを実施するために、下記の質を高める4つのポイントを紹介します。

  • 1on1ミーティングの目的をお互いに一致させる
  • 1on1ミーティングに欠かせないスキルを習得する
  • 1on1ミーティングを記録し振り返れる状態で臨む
  • 1on1ミーティングを継続しておこなう

正しく1on1ミーティングをおこない、社員1人ひとりが質の高いアウトプットを出せるようにしていきましょう。

1on1ミーティングの目的をお互いに一致させる

1on1ミーティングをする前に、マネージャーとメンバーの双方が何を目的としておこなうかのすり合わせを必ずおこないましょう。

目的のすり合わせをしないと、質問を受ける側が質問をする側の意図を汲み取ることが難しく、メンバーの現状把握に認識のズレが生じる可能性があるのです。

たとえば、質問者は社員が不満に感じている点を聞き、改善したいと考えていたとします。
目的を伝えずに質問をしてしまった場合、人事評価に影響があると感じ、本音を話さないといったことが起きてしまいます。

目的のすり合わせで伝えること

  • 何を目的とした1on1ミーティングなのか
  • どのようなことを聞きたいのか

などを互いすり合わせることで、より質の高い1on1ミーティングを実施できるでしょう。

1on1ミーティングに欠かせないスキルを習得する

1on1ミーティングでは、以下の3点のスキルが求められます。

  • ティーチングスキル
  • コーチングスキル
  • フィードバックスキル

1on1ミーティングでは、目的に合わせてメンバーとコミュニケーションを取る必要があります。
たとえば、メンバーの成長促進を目的としている場合、ティーチングとコーチングを混ぜ合わせ、次の課題を見つけ努力するようにミーティングを設計します。

また、メンバーからの質問に対してわかりやすい伝え方で回答することも大事です。
メンバーに合わせた話し方をしないと、正しく物事を理解してもらえず、メンバーの成長角度を下げることになってしまいます。

そのため、メンターとして1on1ミーティングをする方は上記の3つのスキルを磨くとよりよい1on1ミーティングにつながるため、普段から実践することをオススメします。

さらに詳しく知りたい方はこちらの記事をお読みください。

1onミーティングを記録し振り返られる状態で臨む

1on1ミーティングで話した内容を記録する理由は、1on1ミーティング後に正しく効果を測定するためです。

1on1ミーティングでは課題の解決策を考え、どのように実行するかを決めます。
上記を記録しておくことで、その解決策は効果があったのかなどを検証できます。

また、これまでに課題をどのくらい解決できたのかがわかり、メンバーの成長が可視化されるため、メンバー自身が成長を実感できるでしょう。
メンバーは成長を実感できると、モチベーションが高まり、積極的に行動するようになるといった好循環につながります。

1on1ミーティングの質を高めるためにも、必ず1on1ミーティングの内容を振り返られるような状態で毎回臨みましょう。

1on1ミーティングを継続しておこなう

1on1ミーティングは継続しておこなわないと効果を出すことが難しい施策となっています。

1on1ミーティングで把握できるのは、1on1ミーティングを実施した時点の課題や悩みです。
そこから時間が経過すれば、課題や悩みの対象も変化するでしょう。

もし1on1ミーティングを1度実施して終わりにしたら、それ以降の課題が解決できないため、メンバーの成長につながりません。
強固な信頼関係の構築やメンバーの成長には長い時間を要するため、1on1ミーティングも継続的にする必要があるのです。

1on1ミーティングで気をつける3つのこと

1on1ミーティングをするうえで質を高める施策も大切ですが、失敗しないためにやらないことを明確にすることも重要です。

準備不足や意図の共有がされてないことが原因で1on1ミーティングの質が落ちてしまい、目的を達成することが困難になるケースも少なくはありません。

1on1ミーティングで気をつけることは以下の3点です。

  • 意図を明確に社員に伝えよう
  • 事前にミーティングの内容を考えておこう
  • PDCAサイクルをお互いが回せる状態にする

ご紹介する3点は、1on1ミーティングにおける基礎事項のような内容です。
実際に1on1ミーティングを実施する前に基礎を理解し、事前準備をしていきましょう。

意図を社員に伝えよう

前述したように目的をすり合わせて、なぜこのような質問をしているのかと意図を社員に伝えましょう。
目的や質問の意図が明確に伝わっていないと、メンバーの心が開かず、意味のある1on1ミーティングができません。

たとえば、目的を伝えず1on1ミーティングを実施したらどうなるでしょうか。
目的を知らないメンバーは「自分は何か悪いことをしてしまったのだろうか」「怒られるのではないか」と不安になってしまいます。
そのような状態では、メンバーの本音を聞き出すのは難しいでしょう。

何か新しい施策を実施する際は、なぜそれをするのか目的と意図を伝えましょう。

事前にミーティング内容を考えておこう

1on1ミーティングをする前に、話す項目や内容を整理した状態で臨みましょう。

1on1ミーティングでは、30分から1時間ほど実施して、目的達成のためにさまざまな形でコミュニケーションをとります。

話すテーマが決まっていないと、何を話したらよいかわからなくなり、目的を見失う可能性があります。
限られた時間の中で、円滑に1on1ミーティングを進めるためには事前準備が不可欠です。

また、1on1ミーティングの話すテーマが決まったら、メンバーに共有するとよいでしょう。

PDCAサイクルを回せる状態にする

PDCAサイクルとは計画・実行・評価・対策の仮説を検証するプロセスのことです。

1on1ミーティングの内容を記録しておいたり、次回までの定量・定性目標を立てて、次回までの間にPDCAサイクルを回せる状態にして終えるようにしましょう。
なぜなら、1on1ミーティングで考えた、解決策のアクションプランを実行することに価値があるからです。

1on1ミーティングで考えたことをPDCAで普段の業務にまで落とし込むことで、より1on1ミーティングの効果を高められるでしょう。

1on1ミーティングの効果

実際に、会社の中で1on1ミーティングを実装すると、どのような効果が見込まれるのでしょうか。
貴重なリソースを無駄にしないためにも、どのような効果が得られるか把握しておきましょう。

1on1ミーティングで獲得できる主な効果は次の3つです。

  • メンバーの成長
  • 強い信頼関係が生まれる
  • メンバーの離職率の低減

それぞれくわしく説明します。

メンバーの成長

1on1ミーティングの実施によって得られる効果は、メンバーの成長です。
メンバーは内省をし、課題を自ら見つけ、解決に向け行動するため学びを得られます。

さらにマネージャーからの適切なフィードバックにより、新たな気づきを得られるため、問題を解決する能力が向上するでしょう。

強い信頼関係が生まれる

1on1ミーティングを通じて、お互いの悩みや弱みを話し合うことで、今まで以上に強い信頼関係を生むことが可能になります。
仕事に限らず、メンバーが懸念しているものに対して、真摯に向き合い解決まで導いてくれた人に強い信頼を寄せるのは非常に自然なことです。

また、信頼関係の構築はお互いにとってメリットが多いです。
たとえば、特定の仕事を任せたいときにメンバーを迷いなく頼れたり、1on1ミーティング以外でも気軽に相談できたりなどのメリットがあげられます。

もし、メンバーとうまく信頼関係を築けてないと感じているなら、1on1ミーティングを実施して、メンバーとの関係性を深めることをオススメします。

メンバーの離職率の低減

1on1ミーティングを通じて、マネージャーと密なコミュニケーションを取ることで、メンバーが離職につながる原因を早期発見し、解決策を講じられ離職率を低減できます。

なぜなら、メンバーとの関係性が深まり、悩みや困っていることなど相談できるため、会社に対する不満も減るからです。

また、1on1ミーティングを継続的に実施すると、メンバーが突然やめてしまうといったことも防げます。

さらに詳しく知りたい方はこちらの記事をお読みください。

1on1ミーティングを通じ組織として強くなろう

1on1ミーティングはメンバーと強固な信頼関係の構築やメンバーの成長につながるなどのメリットがあるため、多くの企業が導入しています。

また1on1ミーティングを導入して成果を出している企業の事例からわかる成功要因は以下の通りです。

  • 失敗だけでなく成功からも学びも共有している
  • 1on1ミーティングで得たことを日々の業務にまで落とし込んでいる
  • 1on1ミーティングをおこなう目的が明確
  • 1on1ミーティングをする意味を周知しメンバーに浸透させている
  • 継続して1on1ミーティングを実施している

1on1ミーティングを実施する際は、話した内容を記録することで、メンバーの成長を可視化でき、1on1ミーティングの効果を測定するのに役立ちます。

reviiコラム編集部

revii(リービー)のサービス企画・運用に携わるメンバーが、組織改革やマネジメント育成、1on1ミーティングなどで役立つ情報・HowToを発信しています。
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