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1on1ミーティングで話すことは4つのフェーズに沿って考える

「1on1ミーティングで話すことはだいたい4種類だけ」

こんなことを言うと、「そんなに少ないの!?」と驚かれるかもしれません。

日ごろ1on1ミーティングを実施する中で、
「何を話していいかわからない」
「いつも話すことが同じになってしまう…」
「話したいことはあるけど、切り出し方がわからない!」
という悩みを持つことはありませんか?

本記事では1on1ミーティングで話すことについて、内容と例文を以下の順番で紹介します。

1. 1on1ミーティングで話すことと4つのステップ
2. 1on1ミーティングで話さないほうがよいこと
3. 1on1ミーティング実施のポイント

1on1ミーティングで話すことの例を知っておけば、「何も話せず1on1ミーティングが終わってしまった…」というトラブルが起こらなくなります。

この記事は10分以内で読めますので、ぜひご一読ください。

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1on1ミーティングでは「話すこと」以前に目的設定が大切

目的がないとお互いに何を話したらいいかわからなくなります。
意図のない会話は得られるものが少なく、メンバーの成長につながらりません。

メンバーに仕事の指示を出すときや会議をする際は目的があるからこそ、方向性が明確になり、すべきことが決まります。
目的があって、はじめて話す内容に意味が出るのです。

また1on1ミーティングの目的が設定されていないと、導入の効果を測定できないです。

1on1でも目的を設定してから話すことを決めましょう。

1on1ミーティングの目的

1on1ミーティングで成果を出すためには目的の設定がポイントです。
1on1ミーティングでは下記の2点を目的に実施されます。

  • メンバーを成長させ生産性を向上させる
  • メンバーが生き生きと働ける環境を作る

メンバーを成長させ生産性を向上させる

メンバーが成長すれば、業務の遂行効率を高められ、生産性も向上します。
1on1ミーティングではマネージャーとメンバーが1対1で対話を行うため、個人の課題を解決しやすいです。
マネージャーからのフィードバックにより、気づきを得られるからです。

社員1人ひとりが業務と1on1ミーティングを通して成長すれば、会社全体の生産性を高められます。

メンバーが生き生きと働ける環境を作る

メンバーが生き生きと働ける環境を作るのも目的のひとつです。
生き生きと働く人が増えると職場が活性化され、能動的に仕事をするメンバーが多くなります。

主体的に仕事をして成果が出ると、仕事が楽しくなり会社へのエンゲージメントが高まるのです。
エンゲージメントとは企業と従業員の結びつきの度合いのことです。

メンバーの成長をサポートしつつ、関係性を構築できるため、1on1ミーティングは「メンバーが生き生きと働く環境を作る」という目的を達成するのに適しています。

1on1ミーティングで話すこと

毎回の1on1ミーティングで話すことは、会の進行に合わせておおむね決まっています。

具体的な話題は1on1ミーティングの対象となるメンバーに合わせて変化しますが、次の4ステップに沿って話を展開させるとスムーズでしょう。

  1. アイスブレイク
  2. アジェンダの確認
  3. アジェンダの解消
  4. ネクストアクション決め

マネージャーとメンバーの関係性や、1on1ミーティングの状況によっては必ずしもこの流れを踏襲する必要はありません。

しかし、「これから1on1ミーティングを導入する」という場合は、一度この型を試してみると基本的な進行方向が身につきます。

各ステップで話す内容を紹介します。

アイスブレイクで話すこと

アイスブレイクでは、主にメンバーの心身の健康状態や、プライベートでの出来事などを尋ねます。

「仕事に直接関係のない雑談をしてよいのか?」と思われるかもしれませんが、当たり障りのない話題を振ることで、メンバーの口馴らしをすることがアイスブレイクの目的です。

特に、対象メンバーとのはじめての1on1ミーティングであれば、お互いに自己紹介をすることからはじめてもよいでしょう。

アイスブレイクは、あくまでメンバーがしゃべりやすい場を整えることがねらいです。

一方的にマネージャーが小話をし続けるのは避け、メンバーに簡単な質問をしてください。

アイスブレイクで話すこと例
  • 「最近体調どう?」
  • 「趣味の〇〇はできてる?」
  • 「朝食は何を食べたの?」

アジェンダの確認で話すこと

アジェンダの確認では、まずメンバーに今回話したい議題があるかどうかを確認します。

メンバーから議題が出なければ、マネージャーが事前に用意した議題について話してもよいか提案をしてください。

1on1ミーティングはメンバーの議題を解決する場なので、たとえメンバーに伝えたいトピックがあったとしても、マネージャーが先に自分の議題を提案はしないほうがよいでしょう。

アジェンダの確認で話すこと例
  • 「今日、何か話したいことはありますか?」
  • (メンバーの議題がなければ)「●●の件について、少し話してもいいですか?」

アジェンダの解消で話すこと

次に、アジェンダの確認段階で出てきた議題について対話を行ないます。

業務上の課題や、組織について改善してほしいこと、メンバーのキャリアに関する悩みやスキル開発の相談など、仕事に関するさまざまな議題が考えられます。

マネージャーはアドバイスなどの“情報”、採用計画を立てたりヘルプ人員を補充したりする“人的リソース”、そのほか必要な“予算”や“物品”を提供することで、メンバーの課題を解決に導いてください。

また、アジェンダの解消を行う際は、メンバーからの質問に再度質問で返さないということに注意が必要です。

課題を解決するために相談をしたはずなのに、「あなたはどうしたらいいと思う?」などと返されては、メンバーが1on1ミーティングを有意義だと感じることはないでしょう。

1on1ミーティングのあと、課題解決に向けて具体的なアクションを起こせるような解決策の提示が必要です。

アジェンダの解消で話すこと例
  • 「それは●●をしてみましょう。」
  • 「●●さんを紹介しますよ。」
  • 「●●というツールを導入してみては?」
  • あなたは●●と言ったけど、こういう観点もあるかもしれないですね。

ネクストアクション決めで話すこと

ネクストアクション決めでは、次回の1on1ミーティングまでにメンバーが実行するべき具体的な行動を提案します。

1on1ミーティング前後の行動に変化を与えることで、メンバーが抱える課題を解決し、成長をうながすことが大きな狙いです。

毎回メンバーにその場限りのアドバイスをするのではなく、「次回の1on1ミーティングまでに●●をする」という期限・行動の目標を持たせることにより、メンバーの能力開発やキャリア支援にもつながります。

やってもやらなくても何も言われないのでは、メンバーがアクションを実行するモチベーションが下がってしまいます。

ネクストアクション決めで実行すると決めた行動は、普段の業務の中で状況をしっかりと確認してください。

ネクストアクション決めで話すこと例
  • 「今回の1on1をきっかけに、●●をしてみたらどうでしょう?」
  • 「●●はいつくらいまでに達成できそうですか?」
  • 「●●はどうなってますか?また状況を共有してください。」

1on1ミーティングでは話さないほうがいいこと

1on1ミーティングはマネージャーとメンバーの対話に重きをおいたマネジメント手法ですが、対話が大事だからといって何でも話せばよいというわけではありません。

1on1ミーティングでは、最終的なゴールであるメンバーの業務遂行能力向上につながるような話題を選ぶ必要があります。

マネージャーとメンバーの人間関係の状況次第ではありますが、話すことがかえってマイナスな効果をもたらしてしまう話題も存在します。

たとえば以下のような話題は避けるほうがよいでしょう。

  1. 業務の進捗報告
  2. マネージャー側からのメンバーの将来の話
  3. マネージャーの過剰な自己開示
  4. 以前答えたことのある質問

それぞれ解説します。

業務の進捗報告

1on1ミーティングで通常業務の進捗報告をするのは基本的にはNGです。

業務時間中であるため、つい仕事の状況を確認したくなるかもしれませんが、業務の進捗報告がメンバーの成長に直接つながることはありません。

1on1ミーティングはあくまでメンバーの成長をうながす目的で行うものですので、メンバーの成長が期待できない話題は不要だといえます。

メンバーに任せている業務の進捗を確認したり報告を受けたりするのは、普段の業務時間中に行なうのが適切です。

ただしメンバーから1on1ミーティング中に業務について相談された場合は、ほかの課題と同様に対応しましょう。

メンバーの将来の話

今後のキャリアプランなどの深い話は、踏み込むタイミングに注意が必要です。

マネージャーとメンバーの間に信頼関係が築かれていない段階では、プライベートに深く踏み込むような話を尋ねても「なぜこの人にそんなことを話さなくてはいけないのか?」と感じさせてしまう可能性があります。

1on1ミーティングや普段の業務を通じてメンバーと信頼関係を築き、メンバーが自発的にマネージャーに相談したいと考えるのを待ちましょう。

マネージャーの過剰な自己開示

マネージャーの自己開示が過剰になりすぎ、過去の手柄など自慢話ばかりになるケースが実は少なくありません。

自己開示がまったくないのもメンバーに距離を感じさせてしまいますが、単なる自慢話では対話につながりません。

マネージャーは自己開示として「自分にはこういうスキルがあります」「こういう点は苦手なのでフォローしてほしいです」といったスキルの共有や、「私は自社サービスのこういうところでユーザーに貢献していきたいと思っています」といった会社で働くことに感じているバリューを明確に示すことを推奨します。

過去の実績を話す場合も、「こういった経験があるので、こういう悩みにアドバイスできると思います」など、メンバーのベネフィットにつながるような話を心がけてください。

以前答えたことのある質問

過去、既に答えたことのある質問を繰り返すと、メンバーはマネージャーに「この人は私に興味がないんだな」「話を聞いてくれていないんだな」と感じます。

単純に信頼関係を損なうことになりますので、注意が必要です。

どのような話をしたかすべて記憶しておくのは困難ですので、毎回手書きでもPCでも、何かしらの形で1on1ミーティングの記録を残しておくと話題の重複を防げます。

「話すことがない」と1on1ミーティングで言われてしまう原因

1on1ミーティングでメンバーから「話すことがない」と言われてしまっては、導入した成果を得られないでしょう。
成果を出すには、話すことがないと言われる原因を把握して改善に努めましょう。

1on1ミーティングで話すことがないと言われてしまう原因は以下の通りです。

  • マネージャーが一方的に話してしまう
  • 信頼関係が構築できていない
  • 1on1ミーティングの目的を理解できていない

マネージャーが一方的に話してしまう

マネージャーが一方的に話してしまうと、メンバーは話しにくくなってしまいます。
マネージャーばかりが話していると、メンバーは「自分の話を聞いてくれない」と思い、話すモチベーションが低下するからです。

またマネージャーが一方的に話す状態が続くと、1on1を実施することへのやる気もなくなってしまいます。

信頼関係が構築できていない

信頼関係が構築できていないと、メンバーは自分の話をしたがらないでしょう。
1on1mミーティングでは、メンバーを成長させるために個人の問題に入り込む場合もあります。
その際にメンバーが話したいと思えなければ、1on1実施の意味が薄くなってしまいます。

1on1ミーティングの目的を理解できていない

1on1の目的を理解していないことも、話すことがない要因のひとつです。
普段の仕事でメンバーに指示をする際は、目的や意図が明確だからこそ適切な指示ができるはずです。

1on1ミーティングも同じように、目的を明確にしないと実施するときに適切な話をできません。
1on1ミーティングを実施する前に目的を共有し、1on1の意味を作りましょう。

話すことがない状態を解消するための対策

1on1ミーティングで話すことがない状態になってしまったときの対策を解説します。

メンバーの話を聞いてから話をする

1on1ではマネージャーが一方的に話してしまうと、メンバーは話すモチベーションが低下すると説明しました。

メンバーを成長させたいという思いから、業務に対するフィードバックやアドバイスなどをしたくなる気持ちはわかります。
しかしその気持ちを抑えて、メンバーが話を聞いてからマネージャーが話すようにしましょう。

普段から心理的安全性を作れるように意識する

普段から心理的安全性を作れるように意識するのは重要です。
心理的安全性とは、自分の気持ちや考えを誰に対しても安心して話せる状態のことです。

人は自分の話や意見を聞いてくれる相手に信頼を抱きます。
信頼を構築できれば、1on1ミーティングでメンバーから話を引き出せます。
普段からメンバーが話すときは耳を傾け、意見や考えを聞いてあげるとよいでしょう。

1on1ミーティングで話をするコツ

1on1ミーティングで行うメンバーとの対話は、いくつかのコツをおさえることでより効果的なものになります。

ここでは3つのポイントを紹介します。

オープンクエスチョンで質問する

イエス/ノーの2択、または単語一語など簡単な返答では答えられない質問のことを“オープンクエスチョン”と呼びます。

1on1ミーティングではメンバーにオープンクエスチョンをすることで、内省を促すことも可能です。

マネージャーのした質問に対して一言で終わってしまうこともないため、場をもたせやすい質問の仕方とも言えます。

ただし、メンバーが思考を言語化することに慣れていないと、どのようなオープンクエスチョンでも「特にありません」という答えになってしまうこともあります。

そのようなメンバーに対しては、まずクローズドクエスチョン(イエス/ノーで回答できる質問)を繰り返すことで、言語化する経験を重ねさせることも必要かもしれません。

ただ聞くだけが『傾聴』ではない

1on1ミーティングでのマネージャーの基本姿勢は傾聴だとよく言われますが、単に口を開かずメンバーの話に相槌を打っているだけでは傾聴とは呼べません。

マネージャーがメンバーの話を聞く姿勢を見せることで、メンバーも話をする気になります。

だからといって話を聞いているだけでは、壁に向かって話をしているのと同じです。

あくまで1on1ミーティングはマネージャーとメンバーが対話をする場ですから、メンバーの話によく耳を傾け、課題解決に向けた発話をしてください。

その場合もマネージャーの“独演会”になってしまわないよう、注意が必要です。

雑談だけで終わらない

いくら場が盛り上がっているとしても、雑談をしただけで1on1ミーティングを終えてはいけません。

雑談をすることで相互理解が進み、1on1ミーティングがスムーズに進行することもありますが、雑談のみではメンバーの成長促進は叶いません。

マネージャーとメンバーの双方が、1on1ミーティングの目的を意識して場に臨むことが重要です。

オンラインで実施する

環境的に可能であれば、Web会議ツールを使ってオンライン1on1ミーティングを実施することを推奨します。

メンバーからすれば、マネージャーはマネージャーというだけで緊張感を与える存在です。

リアルで対面し、1対1で会話をするという状況は、大きなストレスを感じる可能性があります。

マネージャーの意向に沿った回答をしようとして自分の考えとは異なる回答をするなど、メンバーが緊張していると自然な対話をすることが難しくなります。

対面で感じる緊張感を軽減するには、1on1ミーティングをオンラインで実施することが有効です。

まとめ│メンバーの状況に合った対話を繰り返す

1on1ミーティングはあくまでマネージャーとメンバーの対話のうえに成り立っています。

本記事で紹介したトークテーマは一例であり、実際の1on1ミーティングの場では対象となるメンバーによって話すことは変化します。

どのようなメンバーが対象であっても、“メンバーの業務遂行効率アップ”というゴールをしっかりと見据え、課題解決に貢献できる話題を選択するべきです。

1on1ミーティングを導入したばかりの時期は、本記事で紹介したような型に沿って行なうのもよいでしょう。

ただしメンバーの状況が把握できてきたら、少しずつでも対象となるメンバーに合わせた内容に話すことをカスタマイズしていくことを推奨します。

また、こちらの資料では、弊社ならではの1on1ミーティングのノウハウを紹介しています。

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revii流1on1 〜超実践型1on1ミーティングの型〜

reviiコラム編集部

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