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【参考例あり】1on1ミーティングは3種類のシートで成功させる

「1on1ミーティングが成功するかどうかは、準備で決まる」

これは1on1ミーティングの基本的な原則です。

そうは言っても、
「その場で話を聞くほうが大事ではないの?」
「どこまで準備をすれば十分かわからない」
と思う人も多いでしょう。

この記事では1on1ミーティングの準備の仕方を、以下の順番で解説します。


  • 1on1ミーティングの準備が重要な理由

  • 準備に使うシートの特徴と活用法

  • そのまま使えるシートのテンプレート

  • 1on1ミーティング実施時の注意点



準備の方法を身につければ、これから実施する1on1ミーティングの質が大きく向上します。

この記事は5分程度で読めますので、ぜひご一読ください。

1on1ミーティングの効果を高める方法

1on1ミーティングの効果を高めるには「予習」と「復習」を行うことが大切です。

その場に臨んでからどのような話をしようか考える、行き当たりばったりの実施は避けましょう。

1on1ミーティングに期待される“メンバーの成長促進”“マネージャーとメンバーの間の信頼関係構築”といった効果を得ることが難しくなります。

1on1ミーティング実施中のメモをされている方はいるかもしれませんが、さらに実施前の下準備と実施後の振り返りを行うと、1on1ミーティングのよい影響を得やすくなります。

トピックス探しの「予習」

1on1ミーティングを単なる雑談ではなく、マネージャー・メンバー双方に有益なフィードバック会にするために特に重要なのが、予習=事前の準備です。

1on1ミーティングの対象者に関する次のような事柄について、1on1ミーティングを実施する前に把握しておくようにしましょう。

  • 日ごろの勤務の様子
  • 現在関わっている業務の進捗
  • 特に聞いておきたい質問事項
  • 業務に関するフィードバック

また、こちらの資料ではメンバーの現状の活性度を4つのタイプで紹介しています。

無料でダウンロードできますので、1on1ミーティングに臨む前にぜひ一度ご覧になって、メンバーとのコミュニケーションの質を上げる一助としてください。

【1on1入門】知っておきたいマネジメント・仕事スタイル 〜Vol.1 4つのタイプでメンバーを理解する〜

クオリティアップの「復習」

毎回の1on1ミーティングを散発的なミーティングで終わらせず、ノウハウを構築していくために必要なのが、復習=実施後の振り返りです。

1on1ミーティングの振り返りを行う際には、特に以下のような観点からその回の内容を自己評価しましょう。

  • 強みや弱み、キャリア観など対象者について新たに発見したこと
  • うまくいったと思うこと
  • 次回の課題

予習・復習情報はシートに記録する

予習・復習を通じて得た情報は、予習シート・復習シートといった形で、あらかじめテンプレート化していたシートにまとめておくと、あとから振り返るのに便利です。

1on1ミーティングをくり返すたびに対象者に関する情報は増えていくため、すべてを自分の頭で覚えておくのは現実的ではありません。

マネージャー1名で複数のメンバーの1on1ミーティングを実施することも珍しくありません。
そのためExcelやGoogleスプレッドシートといった一覧性に優れたツールにまとめると、整理・保管がしやすいでしょう。

1on1ミーティングシートとは?

1on1ミーティングシートとは、上記のような予習シートや復習シートなど、1on1ミーティングの実施の際に使用するフォーマットシートです。

1on1ミーティングにおけるアジェンダとして活用する場合や、ミーティング内容を記録し、次回の振り返りにつなげる役割があります。

1on1ミーティングシートのメリットは、質の高い対話と進行がスムーズに行えることです。

また、予習や復習など内容をしっかり考えミーティングに取り組めるため、人材育成に役に立つツールです。

このように効果的な1on1ミーティングにするため、ミーティングシートの活用をおすすめします。

1on1ミーティングシートの必要性

1on1ミーティングシートは、事前に質問項目を記入したりミーティング実施後に記録したり、業務時間が削られるため、使用しない場合もあるかもしれません。

ここでは、1on1ミーティングシートの必要性をご紹介します。

対話の質をあげる

1on1ミーティングは、貴重な業務時間内で行うため、メンバーにとって有意義な時間にする必要があります。

1on1ミーティングシートは、マネージャーとメンバーで事前にミーティング内容を共有し、お互い話すポイントを整理できます。

それによりミーティング時にはポイントを押さえた対話ができ、質をあげられるでしょう。

特に1on1ミーティングの導入当初はお互い慣れていない場合が多いですが、要点を押さえた対話を実現できます。

だらだらとゴールの見えない対話をするだけでは成果が出にくく、お互いが1on1ミーティングを嫌になりかねません。

まずは、貴重な時間を有効に使う意識を心掛けるために、ミーティングシートは必要です。

議事録として記録に残せる

1on1ミーティングは、定期的に継続して行うものです。
そのため、前回話した内容を振り返りながら対話を行う場合も多いでしょう。

しかし、複数人のメンバーを見るマネージャーの場合、話の内容が混同する恐れがあります。

「同じことを毎回聞かれる」「誰かのミーティング内容と勘違いされる」などあれば、メンバーは、ミーティングやマネージャーに対し、いい印象を持たず貴重な時間が逆効果となります。

そのようなリスクを避けるため、ミーティングシートは必要です。

冒頭でもご紹介しましたが、実施する都度ミーティングシートに記録し、議事録として残しておくことをおすすめします。

1on1ミーティングの質を一定にする

ミーティングシートにより1on1ミーティングの質を一定にできます。

各マネージャーがチームメンバーと行ううえで、マネージャーごとに質が異なると、会社全体の観点から効果的な人材育成が期待できません。

マネージャーは、チームマネジメントや人材育成など管理職としての役割がありますが、経験値やパーソナリティによりレベルはさまざまです。

マネージャー次第で、メンバーの育成が偏っては組織としてはあまりよくないでしょう。

そのため、組織で共通のミーティングシートの活用で、一定の枠組みを作れます。

マネージャーのマネジメントレベルに左右されず、一定の質を保つため1on1ミーティングシートは必要なのです。

1on1ミーティングシートの種類と効果

1on1ミーティングでは予習シート・復習シートと、ミーティング中に使う実施メモという3種類のシートに情報をまとめます。

各シートの特徴と、活用方法を紹介します。

予習シートの特徴・活用方法

予習シートは1on1ミーティングの実施前の情報収集段階で、主に1on1ミーティングの対象者について理解を深める目的で使います。

学歴や職歴といった基本的なプロフィールは対象者の履歴書を見れば把握できますが、業務態度や、他メンバーとの関係性、仕事に関するフィードバックなどは、普段から対象者を観察していなければわかりません。

1on1実施直前になってあわてて予習シートを作るのではなく、気が付いたことがあれば逐一記入していきましょう。

そういった意味では、3つのシートの中でもっとも利用頻度が高いシートです。

復習シートの特徴・活用方法

復習シートは1on1ミーティングの終了後に、その回の内容を評価し、次回に向けてフィードバックを行う目的で使います。

1on1ミーティングの実施後にテンプレートを用いて自己評価をすると、「なんとなくうまくいった気がする」といった主観的な印象ではなく、「何ができたか」「次回の課題は何か」といった客観的なフィードバックを得られるのです。

実施内容に対してフィードバックをくり返すことで、1on1ミーティングを行うノウハウが蓄積していきます。
常に改善を行えるため、しだいに1on1ミーティングの効果そのものが高まることも期待できるでしょう。

実施メモの特徴・活用方法

実施メモは、その名のとおり1on1ミーティングの実施中に得た情報をメモしておくためのシートです。

特定のテーマについて議論を行う一般の会議と比べ、1on1ミーティングはさまざまな話題に話が及ぶ可能性があります。

すべての話題を聞き手の頭で記憶しておくことは難しいため、必要に応じて議事録のような形でメモを取っておくことが必要になります。

まったくの白紙に適宜メモを取るだけでもよいのですが、事前に準備した内容を反映したテンプレートを作っておくほうがより効率的です。

万が一、どのようなテーマを話したかったか忘れてしまったときにも、カンニングペーパーとして活用できます。

1on1ミーティングシートの項目例

本記事で紹介した3つのシートについて詳しく説明していきます。

おおむねどのような組織でも利用できるような内容を意識していますため、そのまま1on1ミーティングにご利用いただけます。

またすでに1on1ミーティングを実施している場合は、内容を調整して利用可能です。

以下に、各シートに含まれる項目の説明を行います。

予習シート

予習シートでは以下のような項目を用意します。

  • 基礎情報(職歴、趣味、強み、課題)
  • 業務に関する事項(担当プロジェクト、進捗状況、フィードバック)
  • その他、話しておくべきこと

基礎情報は、1on1ミーティングを実施する相手に関する個人情報をまとめたものです。
強みや課題、キャリアといった普段の業務を通じて把握していく情報に分かれます。

業務に関する事項では、1on1ミーティングの対象者が関わっている業務とその進捗状況に加え、マネージャーからのフィードバックを記録しておきます。

その他、会社全体に共有すべきニュースなど、伝えるべき事柄は“その他、話しておくべきこと”の欄に忘れずメモしておきましょう。

予習シートは毎回作り直すのではなく、少しずつ情報を付け足して充実させていくものです。

復習シート

復習シートには、以下のような項目を用意します。

  • 実施日
  • 参加者
  • フィードバック(今回の課題、自己評価)
  • 次回に向けての課題
  • 新たな発見

フィードバック欄の“今回の課題”には、その回で意識していた課題を記載します。
各課題がどの程度達成できたか、どのように取り組んだか、といったフィードバックを“自己評価”の欄に記載します。

“次回に向けての課題”欄には、フィードバックで得られた新たな課題や、引き続き取り組みたい課題を記録しておきましょう。

“新たな発見”欄は、その回の1on1ミーティングを通じて発見できた、対象者の新たなプロフィールについて記載する箇所です。

復習シートは1on1ミーティングを実施するたびに作成します。

実施メモ

実施メモには、1on1ミーティングで話した内容をメモする欄を設けます。

  • 大テーマ
  • カテゴリー
  • 話した内容

大テーマには「業務の相談」「プライベートの悩み」など、話題の大枠を記載します。

カテゴリーは「メンバーから」「自分から」「連絡事項」など、話題の主体が誰かを書きましょう。

どのような話をしたかは「話した内容」欄に簡潔にまとめます。

また、予習段階で出てきた話しておくべきトピックを1on1ミーティングが始まる前にこちらのシートへ記載しておくと、実施中の備忘録としても利用可能です。

実施メモも復習シートと同じく、毎回新たに作成します。

1on1ミーティングシート活用時の注意点

メリットの多い1on1ミーティングシートですが、使用する際の注意点がいくつかあります。
注意点を押さえ、より効果的なミーティングシートの運用を行いましょう。

メンバー自身が記入する

1on1ミーティングはメンバーが主役となる時間なため、メンバーが話したいことを中心に会話を進めます。

そのため、ミーティングシートはメンバー自身が記入するようにしましょう。

事前にシートに記入する際は、メンバー自身の振り返りと内省の時間になります。

また、自身の考えが言語化され、マネージャーに伝えるべき要点を整理できます。

なお、こちらの資料では、メンバーがより主体的になるためのノウハウを紹介しています。

無料でダウンロードできますので、ぜひご覧になってください。

【1on1入門】知っておきたいマネジメント・仕事スタイル 〜Vol.3 メンバーが1on1に主体的になるために〜

メンバーとマネージャーの両者で事前に共有する

メンバーが記入したシートは、事前にマネージャーに共有しミーティングまでに確認します。

なぜなら事前の共有で、マネージャーはテーマに対し「どのように話そうか」「悩みに対しどのようにアドバイスしようか」などポイントをまとめられるためです。

自身の経験を振り返り、メンバーにアドバイスや伝えたいことを考えて当日臨めるため、質の高い会話が実現します。

しかし、限られたミーテイングの時間内で、その場ではじめて聞いた話題が出た場合では、考える時間が発生し時間内で終わらない可能性があります。

また、早く答えを出そうと表面的な内容で終わってしまう恐れもあるでしょう。

このような事態にならないためにも、事前にミーティングシートの共有をおすすめします。

体系的に記載する

1on1ミーティングシートの記載方法は、組織全体で体系的に記載します。

メンバーやマネージャーのみが理解できる書き方ではなく、部署移動や人事異動にも対応できるよう第三者でもわかる書き方が理想です。

そのため、ミーティングシートは組織内でテンプレートを作成し、見え方を統一します。

さらに保管方法も、メンバーだけが手元に保管するものではなく、マネージャーもチームごとのフォルダの作成がおすすめです。

また閲覧権限などを設定し、人事異動の際にもスムーズにミーティングシートを引き継げるよう保管しましょう。

シートは継続的に利用する

1on1ミーティングシートの継続的な利用で、メンバーの課題や業務進捗の確認などにより、これから行うべきアクションプランが整理できます。

また同じフォルダの保管により、メンバーはいつでも見返し振り返えられ、マネージャーはメンバーの成長を確認できます。

このようにミーティングシートは、1on1ミーティングの目的であるメンバーの成長を可視化できるため、継続的に利用しましょう。

1on1ミーティングを行う際の注意点

1on1ミーティングを行う際には、これまで紹介したような“記録を残す”こと以外にも注意すべきポイントがあります。
さまざまな注意点の中でも、特に1on1ミーティングを実施する上で重要となるものを抜粋して紹介します。

話題はメンバーに考えてもらう

1on1ミーティングで何を話すかについては、実施の対象であるメンバーに考えてきてもらうことが良いでしょう。

1on1ミーティングは、あくまでメンバーの成長促進やマネージャーとの関係構築が狙いです。
ポジティブな気持ちで参加してもらうためにも、「マネージャーに伝えたいこと」を用意することは毎回の宿題としてメンバーに任せましょう。

特にあらたまって伝える必要がない業務上の連絡などは、1on1ミーティング外のタイミングで伝えるべきでしょう。

1on1ミーティングにおいて、メンバーにしてもらう準備について次の記事で、くわしく解説しています。
『1on1ミーティングで部下側の準備と心構えは?促したい行動を紹介!』

「なぜ1on1ミーティングをするか」を明確にする

1on1ミーティングを行う際は、実施する理由や目的をはっきりと対象者に伝える必要があります。
目的を明確にすることで、メンバーと1on1ミーティングの必要性を共有することが狙いです。

貴重な業務時間を割いてまで1on1ミーティングを実施する重要性が伝われば、メンバーの協力も得やすくなります。

マネージャーは「自分がしたい話」をしない

1on1ミーティングにおけるマネージャー側の基本姿勢は“傾聴”です。
相手の話を否定も肯定もせず、まずはしっかりと受け止めることが求められます。

マネージャーが「何でも好きに話をして構わない」といくら言っても、信頼関係の薄い段階ではメンバーが心を開いて率直な話をすることは困難です。

メンバーが「何を話しても自分にとって不利益なことが起こらない」という心理的安全性を確保するために、マネージャーはつい口を挟んでしまいそうになるのをグッと我慢しましょう。

また、事前準備の段階でさまざまなフィードバックが出てきても、自分からその話題を振ることは極力避けましょう。

メンバーも1on1ミーティングに慣れていないうちは、マネージャーがトークテーマや進め方を理解しておくとスムーズに実施できます。
以下の記事ではマネージャーが覚えておきたい、トークテーマや進め方について解説しています。
『1on1ミーティングに取り組む上司の味方!進め方やトークテーマを紹介』

まとめ|3種のシートを活用してより効果の高い1on1ミーティングを

1on1ミーティングを有益な場にするためには、事前・事後・実施中の3つのタイミングで記録を残すことが大切です。

はじめのうちはシートにいちいち記入する時間がもったいなく感じるかもしれませんが、何度か行っているうちに慣れ、作業スピードがアップするはずです。

シートを使って記録を残すことで、マネージャーとメンバーの間でブラックボックス化しやすい1on1ミーティングの内容を可視化し、社内で共有知として蓄積しやすくもなります。

長期間積み重ねた記録はマネージャーにとっては自身のマネジメントを振り返る材料になり、メンバーにとってはこれまでの成長のロードマップとなります。

今回紹介した3つのシートを使うことで、ただなんとなくで実施するよりも、はるかに効果の高い1on1ミーティングの場を作ることができるでしょう。

ぜひご活用ください。

また、こちらの資料では、弊社ならではの1on1ミーティングのやり方を紹介しています。

無料でダウンロードできますので、1on1ミーティングに臨む前にぜひ一度ご覧になってみてください。

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reviiコラム編集部

revii(リービー)のサービス企画・運用に携わるメンバーが、組織改革やマネジメント育成、1on1ミーティングなどで役立つ情報・HowToを発信しています。
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